ブラジル地理統計院(IBGE)が10日、2016年の穀類や豆類、油糧種子(以下、穀物)の収量は前年の2億970万トンを12・2%下回る1億8400万トンで終わったが、2017年の穀物生産は昨年比16・1%増え、史上最大の2億1370万トンが見込まれると発表したと、同日付アジェンシア・ブラジルなどが報じた。
IBGEによると、穀物生産が前年を下回ったのは、前年比8・3%減となった2009年以来だ。16年は深刻な干ばつなどの影響もあり、収量の減少幅も、前年比13・3%減った1996年に次ぐ大きさだった。
一方、今年は全国的に豊作が見込まれ、北東部73%、中西部20・5%、北部13・4%、南東部11・1%、南部5・8%の増産が予想されている。中西部は全国の生産量の40・8%、南部は39・7%、南東部は10・7%、北東部は5・2%、北部は3・6%を占める見込みだ。
今年は豊作との予想は雇用や所得、商談などにも影響する。
10日朝のグローボ局のニュースによれば、ブラジル一の穀倉地帯の中西部では、マット・グロッソ州やゴイアス州などで雇用が急増。大豆農家は次々に、収穫、乾燥、保存、輸送に必要な労働者を雇っており、雇用者が70%増えた町もある。大豆の収穫が終わればトウモロコシの作付けが始まるため、少しでも長く仕事を続けたいと願う労働者も多い。
16年の場合、作付面積は5710万ヘクタールで、前年比0・9%減った。主要穀物の米とトウモロコシ、大豆は、前年比で1・4%と25・7%、1・8%の減産となり、収量予想の92・2%に止まった。
地域別収量は、中西部7510万トン、南部7300万トン、南東部1960万トン、北東部950万トン、北部670万トンで、前年の実績と比べると、各々、16・3%、3・6%、2・1%、42%、12・5%の減収となった。