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ブラジル中銀=0.75%Pの利下げを決定=景気回復へ本気示す=16年のインフレ収束を受け=各銀行もようやく追従へ

ゴールドファジン中銀総裁(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

ゴールドファジン中銀総裁(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 今年初の通貨政策委員会(Copom)が11日に開かれ、全会一致で、経済基本金利(Selic)が、これまでの年利13・75%から0・75%ポイント(%P)下がり、年利13・00%になったと、11、12日付現地紙・サイトが報じた。景気回復に向けた大きな節目となりそうだ。

 基本金利0・75%P引き下げの報は11日午後6時過ぎに各社が報道した。同日午前には地理統計院(IBGE)が、2016年の広範囲消費者物価指数(IPCA・インフレ率)が、年間6・29%の目標上限内に収まった事を発表していた。
 2013年4月まで7・25%という近年の最低値を記録していた頃は、ブラジルは好景気の絶頂期だった。翌5月から上昇に転じ、2015年7月から14・25%の高止まりの状態を続け、昨年11月からようやく下がり始めた。ただし、一気に「0・75%P」も動かすのは2012年4月以来、5年ぶり。それだけに今回は金融市場に対し、政府の基本金利引き下げへの強い決意を示したといえそうだ。
 原則的に、基本金利を上げると、インフレ抑制にはなるが、景気の停滞を招く。基本金利を下げると、インフレの危険性は増すが、景気回復要因となる。15年の二桁を超えるインフレ率から、16年は6・29%にまで収まった事実は、基本金利を下げるための強い後押しとなった。
 ミシェル・テメル大統領(民主社会党・PSDB)は、広報官を通じて「中銀の決定は、景気と雇用回復への政府の決意と、軌を一にするもの」との声明を発表、この決定を歓迎した。
 市場関係者は、インフレ収束の兆しが見えていたにもかかわらず、昨年10月と11月の基本金利の引き下げ幅が、共にマイナス0・25%Pに留まっていた事に不満を漏らしていた。
 その頃イラン・ゴールドファジン中銀総裁は「来年(今年)1月には0・25%P以上の下げ幅となるだろう」と示唆していた。この言葉から大方の予想は0・5%P引き下げだと予想していた。
 「0・75%P引き下げ」の報を受け、すぐに各金融機関も金利の引き下げを発表した。ブラデスコ銀行は、個人に貸し出す際の金利を「月利最低2・84%、最高7・78%」から、「月利最低2・78%、最高7・72%」に引き下げた。
 同銀行のパウロ・カッファレッリ頭取は「銀行が金利引き下げを行う事は不況や高失業率に苦しむブラジルにとって、重要な貢献となる」と語った。
 サンタンデール銀行のセルジオ・リアル頭取は、「他行と足並みを揃えてブラジル経済を回復させるための役割を担う用意がある。そのためには、中銀は今のインフレの状況に則し、基本金利を一桁まで下げる措置が必要」と書面で発表した。