短歌誌『椰子樹』371号が先の12月に発行された。リオ五輪のテレビを、手に汗握りながら見て作ったと思われる《君が代に胸あつくしぬ幼くて国出でしわれはオリンピックに》(富樫苓子)という歌には共感する人も多いのでは。《ここは晴れ彼方に見えるあの雨は空から下がるカーテンのよう》(宮本留美子)、《鼾かく猫に文句を言う深夜テレビ小さく見ている我は》(寺田雪恵)は興味深い状景を詠んでいる。猫が鼾をかくこと自体、珍しい気もするが、真夜中に見ているテレビ(NHKか)を邪魔するほどとは…。《わが短歌を初めて聞かす二世妻「はずかしすぎ貴男の作は」》(武井貢)も面白い夫婦の会話。2年後、2018年に「創立80年」を迎える海外最古(多分)の短歌結社だけに、ますます作品の味わいも増す?!
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本面10日付けトップ記事「古杉さんOAB試験に合格=晴れて弁護士に、成人後移住の日本人初か」に関して、「谷広海さん、今井慎二さん、二宮正人さんらも弁護士。古杉さんは『初』ではないのでは?」という問合せが連日、編集部に舞い込んでいる。この記事の最初の要約に「同試験開始後に弁護士になった、成人後移住の日本国籍者は、古杉さんが初めてとみられる」とあるとおり、「成人移住者」で「OAB(ブラジル弁護士協会)統一試験に合格」したのは古杉さんが初という限定条件付きの記事だ。翌11日付け「大耳小耳」欄で紹介した通り「子供移民」では、すでにOAB試験合格者がいる。同試験が開始されたのが8年前なので、40年以上も前に弁護士になった二宮さんや谷さんらはこの条件に当てはまらない。次から「限定条件」付きの記事を出す場合は、もっとその部分を強調しなくては―と反省。
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