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《ブラジル》 マナウス市=脱走犯が怖くて出歩けず=客足落ちこみに悩む商店=「働かなきゃ生きていけない」と悲痛な声も

マナウス市マレシャウ大通り(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

マナウス市マレシャウ大通り(Marcelo Camargo/Agencia Brasil)

 アマゾナス州州都マナウス市マレシャウ大通りは同市の目抜き通りで、商店、レストランなどが立ち並び、露天商の屋台も軒を並べる。
 事情を知らずにこの場に立てば、一見、通りは賑わっているように見える。しかし、地元の人々に言わせると、今年に入ってからの人出は落ちたという。
 理由は明らか。1月1日に発生した同市内の複数の刑務所で発生した暴動で大量殺戮が起きた上、脱走した囚人184人の多くがまだ捕まっていないためだ。
 この地に店をかまえるヴァンダ・ソウザさん(54)は、午後7時半まで店を開けていたが、事件後は2時間早く閉店している。「早く家に帰らなくちゃ、これまでなら午後7時、7時半に帰っていたけれど、今は5時、5時半に帰っている。人出が減って売り上げが落ちたし、なにより街は危険すぎるから」と語る。
 午後1時頃、通りに立てば、多くの商店が営業しており、露天商も多く出ている。賑わっている印象さえ与える。
 しかし、雑誌や新聞を売っているアルデニシ・バルボーザさん(66)は、「私の店の営業時間はそのままだけど、お客さんの数はめっきり減った」と語る。
 事件後、街の人々は疑心暗鬼になっている。6日には「集団強盗が発生する」との噂が商店を駆け巡った。多くの店と同様に、アルデニシさんも店を閉めたが、本当に集団強盗が発生したか見たものはいない。
 路上でソフトクリームを売るシンチア・ソアレスさん(36)も、店を出す時間を変えたりはしていないが、不安な胸の内は隠しきれない。「働いて稼がなきゃ、誰も生きていけない。警察はもっと外を見回るべき」と語る。
 なお、1~2日の暴動時に二つの刑務所から脱走した囚人数は、13日になって、総数は184人ではなく225人で、77人は再逮捕されたが、未だに148人が逃走中と訂正された。(13日付アジェンシア・ブラジルならびにG1サイトより)