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《ブラジル》 ジャノー検察庁長官=任期3期目狙い出馬へ=選出法の改正後は初=「LJ捜査のために必要」との声=内部に強力なライバルが不在

ロドリゴ・ジャノー長官(José Cruz/Agência Brasil)

ロドリゴ・ジャノー長官(José Cruz/Agência Brasil)

 ブラジル連邦検察庁で、政界汚職捜査ラヴァ・ジャット作戦を取り仕切るロドリゴ・ジャノー長官が、任期が切れる今年9月以降も同職を継続すべく、3期目に向けて、検察庁内の選挙に出馬する意向だと、13日付現地紙が報じている。

 ジャノー長官は2013年9月に就任し、15年9月に再任された。同氏は14年3月からはじまったラヴァ・ジャット作戦に当初から指令役として関わっており、捜査が円滑に進むためにも、3選が望まれている。
 ジャノー長官は、カルドーゾ政権時代(1995~2003年)に、当時の同大統領の指名だけで4期8年、長官職を務めたジェラウド・ブリンデイロ氏に対抗したグループ「ツイウイウス」のメンバーだ。
 同グループの主張で、2001年以降は、奇数年8月に検察庁内の選挙で候補者を絞り、上位3人の名前を記したトリプリセと呼ばれるリストを大統領や最高裁などに提出するようになった。大統領はこのリストの中から候補を指名するが、03年以降、大統領が指名した候補者は常に、このリストのトップだった。
 大統領が指名した候補はまず、上院憲政委員会(CCJ)で諮問を受ける。同委員会で過半数の承認を得れば、上院本会議に推薦され、本会議でも過半数の41票以上を得れば、次期長官に承認されたことになる。仮に拒否されれば、上院の承認が得られるまで、検察庁が継続して候補者を選ばなければならない。
 このトリプリセが導入されて以来、3選された長官はまだいない。
 ただ、メンサロン事件はクラウジオ・フォンテレス長官時の2005年前半に発覚し、捜査と告発は後任のアントニオ・フェルナンド・デ・ソウザ長官が担当。裁判はロベルト・グルジェル長官の2012年で、結審後の上告の審理と刑の執行はジャノー長官の責任下で行われた。
 こう考えると、現在、連邦最高裁のテオリ・ザヴァスキ判事が審査中のオデブレヒト社役員ら77人の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)が、正式に受諾されるのは2月か3月、その内容も数カ月以内には発表されると予想される中、疑惑の政治家に対する継続捜査開始をジャノー長官が要求できる状況を維持した方がよいだろうとの声はある。
 また、検察内部に現長官を追い落とすだけの人材がいないこともあげられている。現時点で考えられる候補は、前回選挙の選管副委員長のニコラス・ジノ捜査官、ジョゼ・ボニファチオ・デ・アンドラーデ副長官、エラ・ビエコ元副長官などだが、ジノ氏は兄のフラヴィオ氏が野党のブラジル共産党(PCdoB)所属の政治家、ボニファチオ氏は連立与党内のライバル、民主社会党(PSDB)にかなり近い人物であること、エラ氏はポルトガルでテメル(当時暫定)政権への抗議運動をした過去があるなど、テメル大統領や民主運動党(PMDB)に不利な条件がある。