【既報関連】10~11日に開かれたブラジル中銀の通貨政策委員会(Copom)で、政策基本金利(Selic)が大方の予想を上回る0・75%ポイント引き下げられ、年利13%となった事で、12日の金融市場は活発に動いた。13日付現地紙が報じている。
12日のサンパウロ市証券取引所指数(Ibovespa)は、11日の終値より3・041%上昇し、6万4336ポイントをつけた。またドル/レアル相場も、0・57%ドル安レアル高の1ドル=3・175レアルで引けた。
投資家が強気となった背景には、金利低下の流れがこのまま続き、景気活性化につながるという見込みが存在する。
政策金利引き下げによって、先物金利も、2013年以来の低水準に下げられた。
Copomは金利引き下げのペースをこのまま保っていく事を示唆しており、市場関係者は、2月21~22日のCopomでも政策金利が0・75%P引き下げられると予想している。
予想を上回る政策金利引き下げは、一般消費者と密接に結びついている企業の株価に大きく影響した。1日で株価が大幅上昇した例は、ショッピングセンター所有者のBrマレスやムウチプランの8・50%と6・45%、小売店チェーンのロージャス・アメリカナスやロージャス・レーネルの7・35%と6・67%などだ。さらに、利下げで融資の利用者が増え、不渡りが減るとの見込みから、各銀行の株価も平均2%以上上昇した。銀行の貸付金利は16日から引き下げられる事になっている。
12日に、サンパウロ州プライア・グランデ市で、故人となった兄弟の名を冠した学校、市立フエッジ・テメル校の開校式に出席したテメル大統領は、「政策金利は徐々に下がり、やがて一桁台になるだろう」と語った。
しかし、景気浮揚策としての政策金利引き下げは、インフレが抑制されていないと行えない。
政府は経済動向を睨みつつ、課題である年金改革や労働法改正を行って国庫財政健全化を図る事で、国民や国外投資家からの信頼を取り戻す必要もある。
リオ・カトリック総合大学経済学部教授のジョゼ・カマルゴ氏は、「全てが首尾よく進めば、年内の政策金利一桁%台も可能だ。今後数カ月の政治の舵取りが非常に重要だ」としている。
尚、13日午後5時現在のIbovespaは前日比0・67%マイナスの6万3530ポイント、ドル/レアル相場は1・48%ドル高レアル安の1ドル=3・222レアルだった。