【既報関連】ブラジル中央銀行の通貨政策委員会が11日に政策基本金利(Selic)を引き下げた事で、銀行も金利を16日から引き下げると12、13日付現地字紙やサイト、16日付フォーリャ紙などが報じた。
ブラジルで債務不履行が多い理由の一つは金利の高さで、特に、金に窮した時に使う事も多い特別小切手やクレジットカードの返済金利は、年330%と年480%と法外だ。
連邦政府は昨年末、クレジットカード利用者が負債額を全額払えなかった場合、残金にかかる金利は最初の30日間のみに有効で、それを過ぎたら通常の貸付に準じた金利に移すという救済措置を発表しており、ロタチヴォと呼ばれる負債残額にかかる金利も大きく低下する。
ブラジル銀行では、クレジットカードのロタチヴォを月15・18%から11%(年250%)へ、4%ポイント(以下P)引き下げた。また、特別小切手の金利も月0・09%P、小切手割引や商店への融資前倒しなど、法人向け金利3種も、平均で月0・25%P引き下げる。
連邦貯蓄銀行(CAIXA)は、昨年11月の政策金利引き下げ時に不動産関連の融資の返済金利を下げているが、今回はそれ以外の融資の金利も引き下げる。
ブラデスコやサンタンデール、ブラジル銀行の個人融資の最高金利は、各々7・78%、8・49%、7・68%だったが、7・72%、7・99%、7・64%に引き下げられる。これらの3行と連邦貯蓄銀行の金利引き下げは12日の段階で発表された。
イタウ銀行は12日現在では具体的な引き下げ例を発表していないが、政策金利が月0・06%下がった分を反映させる事は約束している。
政策金利引き下げは連邦政府にとっても未払い経費や国債の利息減額という恩恵をもたらすが、投資家にとっては、ファンドなどに預け入れた金につく利息が減るため、手放しでは喜べない状況が生じる。