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《ブラジル・ミナス州》 黄熱病流行は鉱滓ダム決壊事故が影響か?=生物学者が注目の推論

 現在、ミナス・ジェライス州で拡大中の黄熱病が、15年11月に発生したサマルコ社の鉱山廃水ダムの堤防決壊事故と関連しているのではないかとの見方が浮上している。14日付エスタード紙が報じている。
 この推論を立てているのはオズワルド・クルス研究院の生物学者マルシア・シャーメ氏で、同氏によると「今回の黄熱病の罹患者のほとんどが、堤防決壊で排水に汚染されたドーセ川流域の市民たちだ」という。
 シャーマ氏は「それだけが理由ではない」としながらも「急激な環境変化が動物、とりわけ(黄熱病感染源とされる)猿に影響を与え、災害後のストレスや食料不足などから彼らが病におかされた可能性は十分にある」との推論を行っている。
 また、堤防決壊で強い影響を受けたエスピリントサント州でも、コラチナ市周辺で猿の死骸が見つかっている。
 シャーマ氏は、過去50年以上黄熱病が起こっていなかった北大河州で2009年に黄熱病の流行が起こったことを例に挙げ、「(鉱山開発などで)自然破壊が進み、森林内に留まっていた黄熱病のウイルスを持つ動物が人の居住地に近づくようになり、人への感染が拡大した」と見ている。環境に異変が起きると、動物は人や町に近い地域に住むようになる。