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《ブラジル》刑務所暴動が再発=リオ・グランデ・ド・ノルテ州で続く緊迫状況=囚人騒乱をTVで生中継

 【既報関連】リオ・グランデ・ド・ノルテ(北大河)州ニジア・フローレス市の州立アルカスス刑務所で、14日から15日にかけて囚人同士の抗争による暴動、殺戮事件が起き、26人の囚人が死亡した。その後も囚人たちは刑務所の屋根に登り、敵対組織を脅迫、挑発したり、組織のスローガンなどを大書した旗を振りかざすなどして、刑務所内の緊張状態は続いた。17日の午前中には同刑務所内で暴動が再発したと、17日付現地紙・サイトが報じている。

 14日の事件は、サンパウロ州を本拠とする州都第一コマンド(PCC)の一団が、敵対集団の犯罪シンジケート(SDC)構成員を収容する施設を襲ったことで発生した。
 斬首など残忍な方法で殺された26人は全てSDC所属の囚人だった。
 事件翌日の16日、治安当局者がアルカスス刑務所内に入り、14日に発生した暴動の首謀者5人を見つけ、取調べ後に別の刑務所に移送した。
 刑務所職員は取材に対し、大量殺戮後の刑務所内は非常に緊迫しており、16日もその状態が続いていたと語った。
 その理由として、SDCが復讐心にいきりたっていることと、14日の事件の首謀者として、5人が捕らえられ、他の刑務所に輸送される際にPCCが激しく抵抗したことをあげた。
 16日にはSDCのメンバーが刑務所の屋根に登り、「平和を望むが、戦争から逃げない」と書いた旗を振り、示威行為を行ったのに対し、PCCのメンバーも同様の行動をとった。
 エンヒキ・ドス・サントス刑罰執行法廷判事やレイナウド・レイス検察局長ら、北大河州司法当局高官が刑務所内での暴動再発を危惧する発言をする中、アルカスス刑務所では17日も新たな暴動が発生した。
 同刑務所内の第1~4棟の囚人が、14日にSDCを襲撃したPCC構成員らがいる第5棟を襲撃しようとする様子は、17日昼の全国ニュースで生中継された。
 囚人たちは鉄パイプやナイフなどで武装しており、軍警が催涙ガス弾などで暴動を食い止めた。「状況は非常に緊迫している」と刑務所警備責任者のウェリントン・カミーロ少佐は語った。
 17日は、同州法務市民局もアルカスス刑務所内での新たな暴動発生を確認した。SDCとPCCに分かれた囚人たちは互いに罵り、脅迫する叫び声を上げ、バリケードを築いた。午前11時55分頃には、刑務所内から多くの銃声が聞こえ、爆発音も轟いたが、銃声が実弾を使ったものか、ゴム弾かなどは不明だ。
 脱獄を防ぐため、国家治安部隊の車両が刑務所周辺をパトロールしているが、17日の暴動での負傷者、死者の数は確認されていない。
 なお、北大河州のロビンソン・ファリア知事は17日、14~15日に起きた暴動は、アマゾナス州マナウス市の刑務所で1~2日に起きた大量殺戮への報復との見解と共に、同州内の刑務所の状況はコントロールできていると発言した。