国際通貨基金(IMF)が16日、ブラジルの17年の成長見込みを0・5%から0・2%へ下方修正したと17日付現地紙が報じた。
IMFは12年以降、ブラジルの成長率を下方修正し続けていたが、ジウマ大統領の罷免に伴う政権交代後は、成長見込みを上方修正した。
しかし、16年後半の景気回復は予想を下回ったとして、今回の発表では、昨年の成長率はマイナス3・5%、17年の成長見込みも0・2%と下方修正した。
17年の成長率は0・2%との予想は、16日にブラジル中銀が発表した市場調査「フォーカス」や10日発表の世界銀行の予想(共に0・5%)を下回る。また、世界全体の成長予想3・4%や新興国の4・5%、ラ米の1・2%をも下回る。
18年のブラジルの成長予想は1・5%に据え置かれたが、これも、世界、新興国、ラ米の3グループの予想を下回る。ブラジルの景気回復が遅れた事を受け、ラ米の成長予想は昨年10月の17年1・6%、18年2・2%が、1・2%と2・1%に下方修正された。来年の世界の成長予想は3・6%で据え置かれた。
ブラジルの景気回復は財政調整の進捗にかかっているが、予算の伸びはインフレ率以下とするいわゆる上限法の議会通過が遅れ、年金問題の審議は年を越すなど、現政権の当初の思惑通りに動いていないのが実情だ。このため、メイレーレス財相は昨年末に、17年の経済成長予想を1・6%から1%に引き下げている。
同財相は16日、スイスのダヴォス会議で、「ブラジル経済は回復の途上で、今年は国民もそれを実感できる事を期待している」とし、「第4四半期の国内総生産は昨年同期比で2%増」との見通しも明らかにした。
会議に同行したブラデスコ銀行のルイス・カルロス・トラブコ総裁も、「景気回復の兆しは既にあり、18年7月は今年7月より2・3%成長する事を前提で業務を行っている」と語った。
17日付G1サイトによると、世界22カ国で行った調査で、ブラジルでは現在の経済は下降線と見ている人が72%いた一方、回復可能と信じている人も80%いるという結果が出たという。
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