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東西南北

 17日、サンパウロ市東部サンマテウスで、約3千人が不法占拠していた土地の再統合が行われ、強制退去に反対したホームレス労働者運動(MTST)のリーダー、ギリェルメ・ボウロス氏が、「暴力沙汰を起こそうとした」との理由で逮捕された。軍警はボウロス氏らの集団を退去させるために催涙ガスなどを使ったという。再統合反対に関する抗議はサンパウロ市ではおなじみの光景だが、逮捕されたボウロス氏が「テメル大統領の自宅前でのデモに参加したときから目をつけられていた」と言うように、これからのサンパウロ市での統括反対デモは労働者党寄りの「対連邦政府、対サンパウロ市政」の色合いが濃くなり、激化しそうな予感がする。
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 14日午後、サンパウロ州ヴィニェードで、6歳のクリスチアン・マシエジュスキー君が、同市ファゼンダ・カショエイラにある貯水池に投げ込まれて、死亡する事件が起きた。クリスチアン君の遺族は「こんなおそろしいことをする人物には会ったことがない」と、怒りを込めて死のショックを語っている。犯人のチアゴ・リベイロ容疑者は既に逮捕されているが、親族は、同容疑者は精神異常だと主張している。
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 15~16日にかけて大雨となっていた大サンパウロ市圏。この雨を受け、17日朝時点のカンタレイラ水系の水位は50・3%となり、未開水域を含めると80%目前のところまで来た。この時期は通常、夕方前に雨が降ることが多いのに、17日は引き続き、午前中から昼にかけて強い雨が降った。貯水率的には嬉しい降雨だが、くれぐれも、市民に被害が及ばないことを願いたい。