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10レアルでサントス沿岸旅行?!=サンパウロ州観光局がバス運行開始

式典で観光資源をアピールしたラエルシオ・ベンコ観光局長

式典で観光資源をアピールしたラエルシオ・ベンコ観光局長

 16世紀中頃から港湾都市として栄え、豊かな自然や歴史的建造物を有し、観光地としても名高いサントス沿岸。サンパウロ州観光局は、同地帯沿岸に位置する9つの自治体の観光名所を結ぶ巡回バス『RODA SP 2017』を13日から運行開始した。
 11年から夏季限定で運行されてきた巡回バスは、今年で7年目を迎える。10つの巡回コースが準備され、有資格の観光ガイドが旅先を案内する。リクライニングシートでゆったりとしたバスに乗り、丸1日存分に楽しむことができる。
 なんと、価格はたったの10レアル。これまでに27万人が利用し、少なくとも今年は3万人の利用を見込む。1日に約600人が利用可能といい、今年は5月5日まで運行される予定だ。
 運行開始に先立ち、12日にサン・ビセンテのビキーニャで運行開始式が行われた。ラエルシオ・ベンコ・サンパウロ州観光局長、サン・ビセンテのペドロ・ゴウベア市長ほか、州観光局関係者や州議会議員らが出席した。
 マルシオ・フランサ・サンパウロ州副知事ら来賓を前に、ラエルシオ・ベンコ観光局長は「地域住民も訪れたことがなかった観光地を知る格好の機会になる」とし、「観光産業は経済成長の重要な柱であり、雇用創出につながるもの。サンパウロ州がブラジル経済の牽引役とならなければ」と意義を語った。

ガイドの案内で楽しくツアーを巡る利用客(フェイスブックより)

ガイドの案内で楽しくツアーを巡る利用客(フェイスブックより)

 報道陣向けに行われた模擬ツアーでは、ガイドの充実した説明を受けながらコーヒー博物館を見学するなどした。
 人気スポットかと思いきや同館の職員らは、「これだけ充実した施設なのに、あまり認知されていない。巡回ツアーでもっと広く知ってもらえれば」と期待を寄せた。コーヒー産業の歴史を学ぶことができ、美味しい入れ方や試飲体験までできるのでおすすめだ。
 詳細やチケット購入は特設サイト(http://www.rodasp.com/publico/)。もしくは問合せ窓口(0300・777・0745から)でも予約可能。運行期間は2月27日、3月1日を除く、5月5日までの火曜~日曜日までとなっている。


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 破格の値段で一日旅行を楽しむことができる巡回バス。だが、発着点はいずれもサントス都市圏となるため、サンパウロ市から参加するのであれば、現地9時集合に間に合うように、早朝に出発する必要がありそうだ。コースによって特徴はさまざま。博物館や自然公園の散策といったゆったりしたコースから、ロープウェーや水遊びなどができるコースも準備されている。友人同士または家族連れでも幅広い楽しみ方ができそう。
     ◎
 サントス中心街にある珈琲館で行われていたワークショップでは、日本製のドリッパーや濾過フィルターも紹介されており、香りが重要とも言える珈琲の味に影響が出ないよう、自然由来のものが使われているなど、こだわった美味しい珈琲の入れ方が紹介されていた。なんでも珈琲を一杯入れるのに一時間かける人もいるとかで、熱湯は90度以上だと珈琲豆が焼けて、風味に影響がでるのだとか。普段、珈琲に牛乳や砂糖を加えて飲む人が多い当地。珈琲本来の美味しい飲み方を同館で体感してみては。