【既報関連】14日に始まった、リオ・グランデ・ド・ノルテ州都近郊、アルカスス刑務所での暴動は、20日に7日目を迎えたと同日付現地紙・サイトが報じた。
刑務所内で反目するギャング勢力、州都第一コマンド(PCC)と犯罪シンジケート(SDC)所属の囚人たちの衝突は、SDC側に26人の死者が出た14日以降も、長期化している。
19日に起きた武力衝突では複数の囚人が死亡し、刑務所長への殺人未遂行為も発生したが、死者数は定かではない。
軍警広報は、19日昼前に再び激しさを増したアルカスス刑務所内の暴動について、「囚人は火器や刃物などで武装しており、殺し合いを続けている」と発表した。
暴動は一度落ち着いたかに見えたが、不穏な動きは続いており、ロビンソン・ファリア同州知事(PSD・社会民主党)は、今後、軍警が刑務所内に入り、二つのギャングを隔離するための壁を築くと発表した。
知事発表後の午後4時半頃、第3棟で火災が発生し、黒煙が巻き上がると、午後5時に軍警大隊や特殊部隊、特殊作戦グループと刑務所員が、囚人の自由な往来を止め、新たな抗争を回避するため、刑務所内に入った。
治安関係者の大半は夜8時頃に現場を去り、負傷者の治療、搬出のための救急車8台が出動したが、病院に運ばれた囚人数はわかっていない。
同州政府は16日以来、同刑務所内の統制を取り戻すため、ギャング集団の首領たちに対する働きかけを続けている。カイオ・ベゼーラ同州保安局長は「PCCにもSDNにも『これ以上の暴動は許さない』と伝えている」と語った。
アルカスス刑務所は1998年に開所し、2015年3月の暴動以来、房を隔てる鉄格子がない。このため、第1~4棟の囚人は各棟の扉まで自由に行き来できる。但し、PCCの囚人がいる第5棟は塀で隔てられ、別管理となっている。
なお、18、19日に州内各市で起きたバス襲撃などの暴力行為と19日の暴動後、テメル大統領が市内の治安維持のための軍派遣を承認した。