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キリンHD=ブラジル子会社をハイネケンに売却へ=ブラジル市場5年余りで撤退

 キリンホールディングス(HD)がブラジル子会社ブラジルキリンをオランダのハイネケン社に売却する事で合意し、今後数週間以内に発表される見通しと、20日付現地紙が報じた。
 キリンHDは2011年に現地会社スキンカリオール社を62億レアル(3千億円)で買収し、ブラジル市場に進出したが、シェアの拡大に伸び悩んでいた。
 2015年12月には、ブラジルキリンが出した巨額赤字が原因で、キリンHDは全世界の関連会社連結決算で赤字を計上していた。
 現在、ブラジルキリンのブラジル内のシェアは8%強だ。キリンHDに買収される前のスキンカリオール社は長年、Ambevに次ぐ国内2位のシェアを誇っていたが、現在はペトロポリス社、ハイネケン社の後塵を拝し、国内4位に甘んじている。
 シェア低迷により、ブラジルキリン所有12工場の多くが、操業停止に陥っていた。ブラジルシェアの10%を握るハイネケン社にとって、買収は、成長速度を速める意味を持つ。
 ハイネケン社はコカコーラ社と供給システムを共有する契約を結んでいる。キリンの買収が成立すれば、キリンの供給システムもハイネケン、コカコーラ共同の供給システムに組み込まれる。
 両社の買収交渉は昨年6月より始まっていた。キリンHDは、2010年から11年にかけて、62億レアルを投じてスキンカリオール社の全株式を取得した。今回の売却金額は、購入時の半分以下の28億レアルと見込まれている。
 ハイネケン社、ブラジルキリン社の関係者は共に、正式なコメントを発表していない。