【既報関連】14日に26人の死者を出した、リオ・グランデ・ド・ノルテ(北大河)州都ナタル近郊、アルカスス刑務所での暴動は、23日で10日目を迎えたと21~23日付現地紙・サイトが報じた。
アルカスス刑務所第5棟の外では23日朝、新たなトンネルが発見された。トンネルは22日にも2本発見されており、2日間で発見されたトンネルは3本となる。
22日に発見されたトンネルの一つは、同日中に降った雨で土砂が崩れたために存在が明らかになった。もう一つは茂みでカモフラージュされていた。暴動に乗じてこのトンネルを抜けて外に出た者がいたかは確認されていない。
アルカスス刑務所は五つの棟に分かれている。第1~3棟は地元を根城にする犯罪シンジケート(SDC)が支配しており、4、5棟はサンパウロ州に本拠を置く州都第一コマンド(PCC)が支配している。
14日に始まった最初の大規模暴動では、少なくとも囚人26人が殺害された。次の大規模暴動は19日に発生した。その際にも多くの囚人が負傷、死亡したとされているが、軍警はその数を明らかにしていない。
同州警察科学技術研究所(Itep)の専門家たちは21日午後、アルカスス刑務所内の一部を捜索・調査中に、頭蓋骨一つと、頭蓋骨のかけら二つ、その他の部位の骨片複数個、切断された手一つを見つけた。Itepは腐乱状態から、これらは14日に起きた大量殺戮の被害者26人のものと見ている。
同じ21日には刑務所内に大型コンテナが並べられ、第1~3棟と第4~5棟を隔離する壁が設置された。コンテナ設置の際も、技師が頭部二つと、前腕1本、上腕1本、脚1本を発見した。コンテナはコンクリート製の壁を造るまでの仮設壁で、コンクリート製の壁は15~20日ほどで建設される予定だ。
21日午後、軍警のアンドレ・アヴェゼード大佐は「壁建設の目的は囚人たちの命を守る事」と述べた。また同大佐は、同日の作業で、大量の瓦礫と共に、囚人たちが暴動の際に武器として使った鉄パイプ多数を押収したと発表した。
同大佐は、火器や刃物類を押収するための刑務所内捜索の期日は明らかにしていないが、この作業には、同州が連邦政府に要請した軍の兵士の支援を仰ぐ可能性も高い。
なお、ナタル市でのバス焼き討ちなどは軍兵士の到着で沈静化したが、同州内陸部では今も暴力行為が続いている。