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「エイエイオー!」と綱引き=ジャパン・ハウス上棟式=入口の格子状檜を初披露

曳き綱の儀で完成を祝った関係者ら

曳き綱の儀で完成を祝った関係者ら

 サンパウロ市パウリスタ大通り52番に今年5月オープンを控える文化広報施設「ジャパン・ハウス」(以下、JH)の『檜のファサード(建物の正面)』の完成を祝い、24日午前に上棟式が執り行われた。一週間降り続いた雨がパタリと止んで晴れ渡った青空のもと、足場が解体され、姿を現したファサードに感激が広がった。

 中島工務店から飛騨の匠の技を持つ5人の職人が来訪し、ファサードの取付け作業を実施した。檜どころで有名な岐阜県中津川市加子母から取り寄せた、36層の木材が格子状に複雑に組上げられ、同館の表玄関を神々しく飾る。
 上棟式では、南米神宮の逢坂和男宮司による神道式儀式が行われ、中前隆博在サンパウロ総領事、ルーベンス・リクペロ館長をはじめとしたJH関係者、呉屋春美文協会長らが出席のもと、竣工後の建物の無事を祈願した。
 左右に分かれて棟木取付け位置まで綱を曳く『曳き綱の儀』では、職人たちの「エイエイオー!」という威勢の良い掛け声に合わせて、三度に渡って綱が引かれると、関係者の間で拍手喝采が起こった。儀式には「皆で力を合わせて一つになる」という含意があるという。
 職人の一人である中島浩紀さん(岐阜県、53)は、「足場を外して見たのは今日が初めて。非常に感激しています」と喜びに満ちた表情で語った。通関の遅れもあって2カ月以上に及んだ滞伯を任務完了で終え、25日夜にようやく帰路に就く。
 JHを通りかかった日系人女性は「こんなに手の込んだものをよく作り上げられたわね」と関心した様子。「こんな素晴らしいことをブラジルでやってくれて誇りに思うわ。オープンが楽しみ」と心を躍らせていた。
 檜は切って組み上げた後に安定時期に入り、雨風に晒され収縮を繰り返すうちに、二百年間は強度を増してゆくという。現在、建物内装工事は床工事が行われており、1月末には完成予定。竜安寺の白砂をイメージした外土間などの外構工事や植栽を含めて、最終的な完成は2月中旬頃を見込み、4月にはプレオープンを控えている。