ブラジルサッカー、育成チームのNo・1を決めるコッパ・サンパウロの決勝が25日にサンパウロ市のパカエンブー競技場で開催され、コリンチャンスがバタタイスを2対1で破り、2年ぶり10回目の優勝を果たした。
決勝の舞台にたどり着くまで、コリンチャンスは全ての試合に勝利していた。一方のバタタイスは、決勝トーナメントに入ってからは引き分けからのPK勝ちが3回、準決勝ではパウリスタ相手に1対5で敗れたが、その後、パウリスタが年齢制限を超える選手を起用していた事が発覚して失格になったための代替出場だった。
コリンチャンスは2014年以来、4年連続での同大会決勝進出という事もあり、戦前はコリンチャンス圧倒的有利の評が大半だった。
この日はサンパウロ市政記念日の休日で、快晴のパカエンブー競技場を埋めたのは、9割以上がコリンチャンス10回目の優勝を確信するコリンチアーノだった。
3万4千人の観衆の、地鳴りのするような声援がコリンチャンスを後押しする中、バタタイスイレブンは前半、粘り強く守って得点を許さなかった。
0対0で折り返すと、ハーフタイムのインタビューで、コリンチャンスの選手に「相手はこれまで倒してきた相手よりも格下、準決勝の一件もあって、油断したのでは?」との質問が飛ぶほど、バタタイスの健闘は目を見張るものだった。
コリンチャンスの選手は「油断なんてありえない。みんな全力で戦っている」と答え、「でも、後半はもっとペースをあげていかなくてはいけない」と語った。
この言葉通り、後半もコリンチャンスペースが続いたが、バタタイスの奮闘は素晴らしく、後半40分まで試合はこう着状態が続いた。
均衡が破れたのは後半42分だった。大会得点王のカルリーニョスが、右からのクロスに長身を活かしたヘディングであわせて先制。カルリーニョスはその3分後にも見事なアシストを見せ、マルキーニョスが突き放した。
バタタイスも終了間際に1点返したが、試合はそのまま終了し、コリンチャンスの2年ぶり10回目のコッパ・サンパウロ優勝が決まった。
コリンチャンス・ジュニア(20歳以下)チームからは既に、カルリーニョスとマントゥアンのトップチーム昇格が決まっている。その他、ギリェルミ・ロマン、ペドリーニョ、日系人のファブリシオ・オオヤなども今後のトップ昇格が期待されている。昨年の全国選手権は7位に終わり、3年ぶりにリベルタドーレス出場権を逃したチーム再建の一助となるか、若い選手たちの今後の成長に期待だ。(規)