ブラジル保健省が25日、今年は黄熱病の予防接種ワクチンを1150万回分追加供給すると発表した。24日までに確認された全国の黄熱病感染者は、死者40人を含む70人で、2007~8年の流行時の48人や2003年の流行時の64人を完全に上回ったと25、26日付伯字紙やサイトが報じた。
ブラジル保健省によると、例年のワクチン供給量は80万~100万回分だが、今年は550万回分を各州に配布済みの上、数日中に600万回分を再送する。また、各州の要請に応じて550万回分を送る準備もできている。
同省では、黄熱病の予防接種は生ワクチンを使い、副作用が起こりうるため、感染の可能性のある地域在住者や旅行の可能性のある人以外は慌てて接種しないよう忠告している。
流行の発端となったミナス・ジェライス州では、感染が疑われる患者や死者が40の市の在住者404人(死者66人を含む)に増えた。同病感染が確認された患者や死者の数は、66人と37人となった。
エスピリトサント州では感染が疑われる患者が死者2人を含む22人、感染確認は1人とされていた。だが、26日付G1サイトによると、20日にミナス・ジェライス州内の病院で亡くなった同州在住の男性の死因が黄熱病であった事が確認された。両州の保健局は未確認情報としているという。エスピリトサント州で患者や死者が報告された市は14市に上る。
サンパウロ州北部も予防接種が勧められる地域だ。同州では、3市で3人の死者が確認されているが、内陸部や海岸部でも感染が疑われる患者や死者が出ているという。
バイア州でも感染が疑われる例が3市で6件報告されており、ミナス州と境を接する地域が接種対象地域となっている。リオ州ではまだ患者の報告はないが、ミナス州との州境に近い地域の14市が接種対象地域となっている。
子供への黄熱病の予防接種は生後9カ月と4歳の2回が原則だが、幼少時に接種を受けていない成人は、危険地域への旅行の10日前までに1度と、10年後に1度受けるよう勧められている。
なお、エスピリトサント州では、人々の不安に乗じ、200回分のワクチンを盗み出して4万レアルを稼ごうとした親子が25日に逮捕された。