【既報関連】JRグループのジャパン・レール・パス(以下JRパス)利用資格変更に対して再考を求め、世界各国から署名を集める「『JRパスを考える』在外邦人の会」が1月6日時点で5817人の署名が集まったことを受け、JRグループほか関係各所に嘆願書を提出した。同署名サイト(http://bit.ly/2gaAiZI)には26日時点で6408人のネット署名が集まっているが、ブラジル在住者のものは少ない。目標の7500人まであと1千人余りに近づいており、「もっと署名を」と呼びかけている。
同会は6日にJRグループ各社、15日にJNTO(日本政府観光局)の本部及び米国やロシア等各国の11事務所に嘆願書と資料を送った。
同会設立者の一人、藤巻ギャレット由紀さんはメール取材に対し、日本政府が「観光立国」を目指す中で発表された同パス販売打ち切りに驚きを示し、「JRは私企業だが公共交通機関でもある。変更決定の背景の説明も無い今回の在外邦人観光客切捨ては全く納得がいかない」と語った。
また他国、他地域のレールパスは非居住者なら購入可能であることを挙げ、さらに外国に拠点を置く日本人や日本で過ごしたことが無い日本国籍者が年々増加していることを指摘し、「その状況について理解が無い」と批判した。
藤巻さんの住むオーストラリアは日本との距離も近く、日本語を第二言語として教える学校も多い。盛んに行われている日本への修学旅行やホームステイの際は日本人教諭が同行することが多く、今回の変更で各教育機関からも旅行費用が高くなるのでは、と不安の声が上がっている。
藤巻さんは解決策として「利益が上がらないとか不正購入者の存在が問題なら、指定席購入回数等に制限や別途料金を設け、外国人旅行客による指定席の二重、三重取り防止やパス利用者の足取りを掴めるようにするべき。未だに紙のパスで実際の足取りが掴めない上、不正し易い状況なのでは?」と解決策を提案した。
署名運動に関し「在外邦人が一丸となり、今回の件を良い方向に動かせれば」と在外日本人の協力を仰いでいる。
同会から送られた資料によると、米国からの署名が一番多く1209人。続いて日本から1145人、3番目にオーストラリアから1130人だ。ブラジルからの署名は61人のみ。
昨年12月13日に県連がJRグループに送った嘆願書に対する返答はまだ無いとのこと。山田康夫会長は「こちらの抗議に反応すればやり取りが長引く。そのために返事もしないのだろう」と同グループについて予想した。同じく22日に嘆願書を送った文協にも返事はない。
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「『JRパスを考える』在外邦人の会」の署名サイト(http://bit.ly/2gaAiZI)の右側に署名蘭がある。名前、メールアドレス、居住地、コメント(任意)を記入しその下の「賛同」及び「assinar-se」ボタンをクリックすれば終わり。Facebookページを持っている人は、自身のページに署名したことを投稿できるので、友人らに署名を呼びかけることもできる。同会のFacebookページ(https://www.facebook.com/keepususejrrailpass/)には、世界中の在外邦人のいろいろなコメントが書き込まれている。