ジョアン・ドリア・サンパウロ市市長のサンパウロ市の清掃推進計画により、同市の観光名所の一つで5月23日大通りの中央分離帯にある彫像「日本移民80周年記念像」も、汚れが落とされ、ペンキの色も蘇った。同大通りを車で通ると目に飛び込んでくる、内部が緑、青、オレンジ、黄色で塗られた変則楕円の彫像は故大竹富江さんの作品だ。この彫像を市の大事な文化遺産の一つとして扱ってくれるのは、日系社会から見ても嬉しい限りだ。現在、グラフィティ画家とドリア市長の対立が話題を呼んでいるが、こうした文化価値の高い彫像や建物への落書きは遠慮していただきたい。
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サンパウロ市市議会で、「公共の場で立小便をした人に500レアルの罰金刑」という法案が出される予定だという。その立案者のカイオ・ミランダ市議によると「教育的な意味のある法案だ。リオ市でも既に同じ法律があるし、(バイア州都の)サルバドールに至っては1千レアルの罰金刑を課している」と説明している。たしかに高い罰金を払ってまで立小便をしたくもないだろうが、一般的なモラルで普通に抑制できるものを法制化しないといけないと思うと少し恥ずかしくもある。
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月末に差し掛かってもまだ雨の勢いの落ちないサンパウロ市だが、26日に降った強い雨は強風も伴い、市内全域で97本の倒木が起きたという。冠水と倒木の問題は、サンパウロ市にとってはなかなか解決できない、長く深い問題でもある。そして続く27日も、またしても強い雨。水不足や断水の心配はなくなったが、外を歩くのに憂鬱な日はまだまだ続きそうだ。