日本政府がサンパウロ市で開設を進める広報文化施設ジャパン・ハウス(JH)について24日午後、日系団体向けの説明会が行なわれた。昨年6月に続く第3回目の会合で、その後の進捗状況が伝えられた。
参加したのは「5団体」始め、裏千家や生け花などの文化系、日語センターやアルモニアといった教育系など。また複数の福祉団体ほか熟連、仏連、コチア青年など30前後の団体代表者が集まった。
中前隆博総領事やギレルモ・ムロ事務局次長が状況説明を行なった。「来月には事務局を設置し、5月の開設へ準備を進める。国際交流基金も3月に移転する」という。また肝心の事業内容は、3月の運営委員会後に公表するとした。4月のプレオープンを経て、翌5月にグランドオープンする。
施設は大小のサロン、70人収容の常設レストラン、カフェテリア、物販スペース、図書館、メディアルームを備える。地上階から3階までの4フロアで約2500平米。見取り図を見せながら説明がなされた。なお契約は15年からの4年間なので、2019年3月31日まで。オープン後は実質、「約2年間の稼動期間」しかない。
その後の質疑応答では質問が相次いだ。「4年契約だがその後はどうする」という疑問には、これまで同様「独立採算での継続を目指す」とした。日語教育への効果を期待する声も上がり、「交流基金の事業と連携する。共に進めたい」と返答した。
県連の山田康夫会長からは、日本祭りとの連携も提案された。またコロニア全体との関わりとして、「講演などに会場を貸し出すことができる。また企画によっては共催も可能」という受け入れ体制を明かした。
具体的なレストラン運営にも関心が及び、「食材を輸入して作ることも可能。現地食材でも日本本国と同質の料理を提供する」と説明し、一部報道にあった坂本淳シェフ登用には、「現場責任者などの人員は、公式には何も決まっていない」という回答にとどめた。