ブラジル政府は、今後2年以内に国内の一般家庭のインターネット普及率を75%に高める事を目標とする計画を発表する見込みだと、29日付フォーリャ紙が報じた。
計画発表の時期は、電話通信事業に関する法案が、テメル大統領による裁可を受けるために大統領府に送られたらすぐと見られ、3月末までに発表される見込みだ。
目標達成は、政府がどれほどの資金を用意できるかにかかっている。同計画の管轄省庁である、科学技術革新通信省の電気通信局は、計画の初期段階で300億レアルが必要だと考えている。
この内、100億レ分は、インターネット普及率の低い地域に、ブロードバンド(高速で大容量の情報が送受信できる通信網)を提供するための投資目標を遂行していない電話会社に対して、国家電気通信庁が科した罰金で賄われる予定だ。
残りの200億レは、通信会社に一定期間、固定電話事業を行うための施設建設や運営の権利を譲渡するという、現行の契約制を許可制にすることで捻出する計画だが、これには新法の制定が必要だ。このために必要な法案は議会審議が止まっている。この200億レは、運営権譲渡契約の土台となっている、ビルや設備、機器などの資産の価値から試算された。
現行システムでは、各通信会社が使用している設備は、固定電話事業権の譲渡契約終了時に国に返却されるが、法案変更によって、各通信会社が使っている設備は、国内のブロードバンド網拡張に投資することで、返却しなくてもよくなる。これで各企業のブロードバンド拡張への取り組みを促進させる狙いだ。
ブロードバンド普及計画の優先地域は、現在は各通信会社が採算が取れないとして二の足を踏んでいる自治体だ。政府の試算によると、新計画が各企業を少し後押しすることで、全国1800もの自治体がブロードバンド網に含まれるようになるという。
各通信会社はこのインターネット普及計画が遂行される前から、光ファイバー設置を行う企業に15%の減税を行うという制度(REPNBL)によって政府に圧力をかけることで、僻地へのインターネット網拡張を試みてきた。
政府は、各通信会社がインターネットサービスをユーザーに容易に提供できるよう、REPNBLを継続するかわりに、インターネット網設置のための投資に関する法案を変更して、柔軟性を持たせようとしている。
昨年半ばまでの労働者党(PT)政権では、インターネットサービスを提供する際に使用する技術(光ファイバーなど)や通信速度を規制していた。しかし、現政権はこの規制を撤廃し、各通信会社がより安価でサービスを提供できるようにする意向だ。