ブラジル保健省が27日、黄熱病感染が確認された患者は死者47人を含む101人となり、同省が統計を開始した1980年以降で最悪の流行となったと発表したと27~98日付現地紙やサイトが報じた。
感染者の内訳は、ミナス・ジェライス州が死者40人を含む97人、サンパウロ州3人(全員死者)、エスピリトサント州1人だ。また、感染の有無確認中の患者や死者は410人(ミナス州370人、エスピリトサント州31人、バイア州6人、ゴイアス州2人、マット・グロッソ・ド・スル州1人。サンパウロ州は数字が出ていない)いる。
現状を重視した世界保健機構(WHO)は27日、ブラジル国内の人や動物の動き、予防接種の普及率などから見て、ミナス州以外の州での患者発生は予測できたとした上、感染の危険がある地域に行く人は10日以上前に予防接種を受ける事を勧めたが、現時点では ブラジルへの旅行を避けるようにとの勧告は出していない。
予防接種を勧められているのは、バイア州南部とサンパウロ州北部、リオデジャネイロ州北部、ヴィトリア市の市街地を除くエスピリトサント州全域だ。
なお、保健省はWHOの声明に関連し、市街地で黄熱病に感染する可能性は低く、パニックに陥る必要はないとの見解を明らかにした。ただし、農村部や森林地帯で感染した患者が市街地に来た時に、デング熱などを媒介するネッタイシマカに刺されるという事態が発生すれば、市街地での急速な感染を招きうる事は否定しなかった。
30日付フォーリャ紙によると、16年12月以降に発見されたサルの死体は796頭に上り、絶滅危機種も含む、最低92頭の黄熱病感染が確認されているという。
同日付G1サイトによれば、様々な種類のサルの生息地として知られるエスピリトサント州の大西洋森林地帯(マッタ・アトランチカ)で、動物の鳴き声などが減った事に気づいた住民や研究者が調べたところ、大量の動物の死体に遭遇。絶滅危機種のサルの死体は1週間で400頭も発見されたという。