1月19日に急死したテオリ・ザヴァスキ判事に代わるラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報告官人事が待たれるブラジル最高裁だが、テオリ氏が在籍した最高裁第2班からのくじによる選出になりそうだと、1月31日付現地紙が報じている。
1月30日に行われたLJでのオデブレヒト社の報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)の承認に続き、LJの後任報告官選びが注目されているが、現地紙の報道によると、カルメン・ルシア長官は、テオリ氏が在籍していた最高裁第2班の中からくじで選出したい意向で、後任報告官は早ければ今日1日にも決まる見込みだという。
2班の現在の在籍判事は、セウソ・デ・メロ、ジウマール・メンデス、ディアス・トフォリ、リカルド・レヴァンドウスキー各判事だが、同班内での審理が賛否同数で結論が出ないという事態や新任判事に過重な負担がかかるのを避けるため、1班のエジソン・ファキン判事が移籍してくる見込みだという。
ファキン判事が移籍した場合、同判事が報告官選びのくじの対象のひとりになるかならないかは定かではない。カルメン長官を除く9人の判事の中でくじを引く可能性もあるが、現地紙は、その可能性はかなり低いと見ている。
ただ、今回選ばれる報告官はLJに関する案件だけを担うことになり、テオリ氏が生前抱えていた他の7500件の案件は、テメル大統領が選ぶ後任判事の手に渡る見込みだ。
第2班の判事の顔ぶれを見ると、一般的なイメージとして、やや特定政党寄りのイメージを持たれている判事が目立つ。その点で、大型政治家の疑惑が多く噴出することがかねてから予想されているオデブレヒト社のデラソンの扱いなどがどうなるのか疑問視されている。
例えば、カルドーゾ政権下で最高裁入りしたジウマール・メンデス判事は、労働者党(PT)関係の案件には厳しいが、汚職防止法などの見解に関して、現与党の政治家に甘い発言が目立つ。
一方、PT政権で選ばれたレヴァンドウスキー判事は、メンサロン事件の際のPT系被告への寛大さやジウマ大統領の弾劾裁判の際に政治生命を奪わなかったなどの印象で覚えられている。
トフォリ判事はPTの顧問弁護士をしていた時期があり、メンサロン事件の際もPTに寛大だったという印象があるが、選挙高等裁判所の長官時代に副長官を務めたジウマール判事と行動を共にするようになって以降、同判事と似た見解を出すことが目立っている。
第2班でLJの書記官を務めることになっているセウソ判事はサルネイ大統領時代からの最古参で、ファキン判事は15年に最高裁入りした。