ブラジル中央銀行が1月31日、2016年の公共部門の基礎的財政収支は、国内総生産(GDP)の2・47%にあたる1558億レアルの赤字だったと発表したと同日付現地紙・サイトが報じた。
公共部門の基礎的収支は、中央政府(国庫、中銀、社会保障費の総計)と州、市レベルの基礎的収支の総計で、3年連続の赤字だ。また、この額は1997年の統計開始以来、最大となった。過去の最高は2015年の1112億レアルだった。
だが、この額は議会で承認された、1639億4千万レアル(最悪の場合1705億レアル)の赤字という目標額を下回り、政府の経済政策チームは安堵の声を上げた。
連邦政府の収支は、1594億7300万レアルの赤字だった。州レベルの収支は67億8700万レアルの黒字だったが、市レベルでは21億2100万レアルの赤字となった。ペトロブラスとエレトロブラスを除いた公社は9億8300万レアルの赤字を計上した。
エンリケ・メイレレス財相は、「赤字幅が予想より少なくて済み、目標を達成と発表できる事はとても重要だ。昨年の新政権発足以来、初めて、政権が挑むべき課題の大きさと財政改革の重要性が明確になった」と語った。
しかし、カンピーナス総合大学教授で経済学者のジェラウド・ビアゾート氏は、基礎的収支の赤字額が議会で承認された目標を下回ったのは、レパトリアソン(R)法により468億レアルの〃臨時収入〃を得たからで、それがなかったら、赤字はさらに膨らんでいたとしている。
「R法による臨時収入468億レアルがなければ、赤字は2千億レアルを超えており、赤字が少なく済んだとは言えない」と同教授は語った。
アナ・パウラ・ヴェスコーヴィ財務局局長は2017年の基礎的収支について、政府は予算執行の際に合理性を保ち、赤字を1390億レアル以内にとどめると約束した。
連邦政府の赤字額は、昨年12月に試算した1677億レアルより少なかった。同財務局長官によると、これは、昨年12月の税収が予想より多かった事と、支出が予想より少なかった事による。12月の社会保障費は予想額を25億レアル下回った。
しかし、社会保障費は依然、政府会計の赤字拡大の最大要因で、昨年は国立社会保険院(INSS)だけで1497億レアルの赤字を計上した。