【既報関連】ブラジル連邦最高裁は2日、1月19日に飛行機事故で急死したテオリ・ザヴァスキ判事に代わるラヴァ・ジャット作戦(LJ)の報告官として、エジソン・ファキン判事を正式に選んだ。2日付G1サイトなどが報じた。
昨日付本紙でも報じたように、ファキン判事は最高裁第1班に所属していたが、1日にテオリ氏が在籍していた第2班への移籍を希望する書類を提出。カルメン・ルシア長官は、第1班の他の判事4人に移籍の意思はないことを確認した上で、2日付官報にファキン氏の移籍を発表した。
報告官の選出は、セウソ・デ・メロ、ディアス・トフォリ、ジウマール・メンデス、リカルド・レヴァンドウスキオーの4人の判事たちとファキン氏の5人での抽選で行われ、ファキン氏が当たりくじを引いた。
ファキン氏は15年3月に、当時のジウマ大統領に選ばれて最高裁入りした。現時点で在任中の判事の中では在籍年数がもっとも短い。
ただ、ジウマ氏によって選出されたからと言って、必ずしも労働者党(PT)や、その他の政党に片寄った判断をする印象も持たれていない。15年12月に下院がジウマ氏の罷免手続きを始めた際、下院での手続きのあり方に関する審理の報告官を務めたのはファキン判事だ。また、昨年12月に、愛人との隠し子への保険不正受給問題でレナン前上院議長(民主運動党・PMDB)を被告とするか否かで審理した際も、報告官を務めている。
また、ファキン氏はテオリ氏と私生活でも親しい間柄で、経歴や判事としてのスタイルも似ていることから、一部報道機関では、テオリ氏が亡くなった時から「ファキン氏を後任に」と望む声が実際に存在していた。
パラナ州連邦地裁で、公職についていない政治家や一般人のLJ被告を管轄するセルジオ・モロ判事も、「ファキン氏の判事としての力量は最高級のものだ」と賛辞を惜しまない。
今回のテオリ氏の後任報告官選びに関しては、第2班の判事には特定の政党からの影響が強い人物が目だっていたため、「後任次第で、LJがこれまでのようにうまく機能しなくなるのではないか」と危惧する声もあがっていた。その意味でも、従来路線に近い人事といえそうだ。
LJの今後だが、連邦検察庁は既に、1月30日にカルメン・ルシア最高裁長官が承認したオデブレヒト社77人の報奨付供述の解析を始めており、供述内容の公開や捜査開始の要請書、起訴状などはファキン判事が受け付けることになる。
ファキン判事は既に、故テオリ判事の部下達との引継作業を開始した。
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