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《ブラジル》連邦直轄区検察が52企業への不正貸付精査へ=クーニャやジェデル絡む?=賄賂と引き換えに融資解禁=民主運動党政権に新たな痛手

逮捕時のクーニャ氏(16年10月、Wilson Dias/Agência Brasil)

逮捕時のクーニャ氏(16年10月、Wilson Dias/Agência Brasil)

 連邦検察庁連邦直轄区(DF)支部が特捜班を設け、連邦警察が行った3つの作戦で摘発された企業52社が賄賂を払っていたのが、エドゥアルド・クーニャ前下院議長(現・罷免)やジェデル・ヴィエイラ・リマ前大統領府総務室長官(共に民主運動党・PMDB)らも絡んだ同一の犯罪組織だったと見て、関係確認のための捜査をはじめた。5日付エスタード紙が報じている。

 検察は、DFの連邦警察が実施した、セプシス(16年7月1日)、グリーンフィールド(16年9月5日)、クイ・ボーノ(17年1月13日)の3作戦が、一つの犯罪組織によるものだったのではと疑っている。
 セプシス作戦は、イペールマルカス社元幹部のネウソン・メロ容疑者と、連邦貯蓄銀行(CAIXA)元副総裁のファビオ・クレト容疑者の供述を基に実施された。同作戦で逮捕されたPMDBのロビイストで闇ブローカーのルシオ・フナロ容疑者は、クレト容疑者やクーニャ氏らと共謀し、賄賂と引き換えに、大手企業に対する勤続期間保障基金(FGTS)からの大口融資を承認させたとされている。
 グリーンフィールド作戦は、CAIXAのFUNCEFや、ペトロブラスのペトロス、ブラジル銀行のPREVI、郵便局のポスタイスといった公的機関の年金ファンドの基金が、賄賂と引き換えに不正に解禁された問題に関する捜査だった。これらの基金を受け取った企業は一様に、水増し請求などを行っていたことが判明している。この作戦にもフナロ容疑者が絡んでいる。
 クイ・ボーノ作戦は、2011~13年に、当時、CAIXA法人部の副総裁だったジェデル氏が、クーニャ氏に企業情報などを前もって流し、賄賂額などを決めた上で同行からの融資を認めていたというもので、ジェデル、クーニャ両氏とフナロ容疑者の関与が判明している。
 検察がこれらの作戦が同一犯罪組織と関係していると疑い始めたのは、三つの作戦に共通する項目があることが明らかになったためだ。
 3作戦に共通する項目は、クーニャ氏やフナロ氏といった容疑者と、食品大手のJBS社やマルフリギ社、道路建設のBRヴィアス社、ラヴァ・ジャットでも疑惑企業となったOASやセッテ・ブラジル、エンジェヴィックスなどの国内有数の大手企業名だ。
 具体的な例を挙げると、食品大手のJ&F社はマット・グロッソ州のセルロース工場建設で貸付を受けた際、その貸付額の1%である94万レアルをクーニャ氏に払ったとされている。
 連邦警察が三つの作戦で摘発した企業の数は52社に上るが、検察は、これら52社とクーニャ氏やフナロ容疑者らがどのような形でつながっていたかを精査する。
 テメル大統領のPMDB政権にはまたしても耳の痛い事態が発生した。