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《ブラジル》最高裁判事にモラエス法相か=テメル大統領が驚きの指名=各界からの反対の声も強く=政界との結びつき懸念も

最高裁判事の指名を受けたモラエス法相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)
最高裁判事の指名を受けたモラエス法相(Marcelo Camargo/Agência Brasil)

 テメル大統領は6日、故テオリ・ザヴァスキ判事に代わる最高裁判事として、アレッシャンドレ・デ・モラエス現法相(49、民主社会党・PSDB)を推薦した。これを巡り、賛否両論が巻き起こっている。7日付現地紙が報じている。

 テメル大統領がモラエス氏指名との話は6日午前、エスタード紙サイトが最初に報じた。テメル氏は午前中にカルメン・ルシア最高裁長官に電話で了承をとり、同日夜、大統領府広報官を通して指名を発表した。
 同件では、法曹界や政界から早速批判が飛び出した。ブラジル弁護士会は、現行政府の現職閣僚が最高裁に携わることを三権分立の立場から問題視し、「モラエス氏は司法とは独立した立場を保つべきだ」とした。
 モラエス氏の最高裁判事就任の可否は、上院憲政委員会による諮問(サバチーナ)と上院本会議での審議を経て決まる。労働者党(PT)のウンベルト・コスタ上院リーダーは「政治色が強い」と批判したが、モラエス氏が所属経験のあるPSDBや民主運動党(PMDB)、民主党(DEM)は好意的だ。
 最高裁判事就任となれば、モラエス氏はPSDBを離党する必要がある。最高裁判事就任前に政党と繋がりがあった例は、PT顧問弁護士だったディアズ・トフォリ判事ら、過去に数例だ。
 検察庁ラヴァ・ジャット作戦(LJ)特捜班のデウタン・ダラグノル捜査官は、「今後の捜査の風向きが変わらないか」との懸念を表した。それは、第2審でも有罪となった時点で刑を執行するか否かが新判事の票で反転すれば、司法取引に関する交渉の行方を左右しかねないからだ。モラエス氏は既に、刑執行に賛同する意向を示している。
 モラエス氏はサンパウロ総合大学(USP)で法学博士号を取得。サンパウロ州検察官やサンパウロ州法務局長、国家法務審議会委員などを歴任。ジルベルト・カサビ氏(社会民主党・PSD)が市長時代にサンパウロ市運輸局長、ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事の下で州保安局長も務めた。
 弁護士時代、前下院議長のエドゥアルド・クーニャ被告の弁護をしたこともあるが、その後は特定の繋がりはない。
 テメル大統領は、既に法相としてLJのことを深く知るモラエス氏が最高裁に入ることで、同作戦がより円滑に進むと考えているようだ。
 最高裁側はモラエス氏指名を好意的に受け止めている。モラエス氏と最後まで指名を争ったのは高等裁のマウロ・キャンベル氏で、当初はキャンベル氏有利と見られていた。だが、最高裁最長老のセウソ・デ・メロ判事はUSP後輩のモラエス氏の著書に序文を書いたことがあり、マルコ・アウレーリオ判事もモラエス氏を推していた。
 新判事が入るのは最高裁第1班で、LJを管轄するのは新報告官のエジソン・ファキン判事のいる第2班だが、最高裁での経験が報告官以下の判事が報告内容を検証するという原則から行くと、大法廷での検証役はモラエス氏となる。

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