財政危機に瀕しているリオデジャネイロ州が進めている、リオ州水道・下水公社(Cedae)の民営化に反対する職員達が7日、リオ市中心部の州議会前広場で抗議行動を行った。
同社の民営化は、9日から、リオ州議会で審議される。この政策は、連邦政府への債務猶予などを含む財政援助と引き換えに行うと、ペザン知事が約束したもののひとつで、議会承認が必要となるが、議会内では民営化に反対する声の方が高いという。また、「水は命の根本で、民間企業にその管理を委託すべきではない」とする市民の声も根強い。
7日のデモは、リオ州公務員連合運動(Muspe)の援助を受けたもので、Cedae以外の州職員も参加したため、アントニオ・カルロス大通りを封鎖するほどの規模になった。
デモ参加者は、Cedaeの民営化の後は、自分たちも職が保障されなくなるかも知れないという不安と、民営化された場合に不採算部門切捨てなどが起きたら、地域によって水の供給が行われなくなるのではという不安を口にした。
デモ隊は、「Cedaeは民衆のもの」と書いた青いプラカードと青いリボンを道行く人々に配った。
リオ州浄水・環境系公社労働者組合ディレクターのロベルト・ロドリゲス氏は、「我々が一番心配しているのは、雇用が保たれるのかということ。公社民営化の時のパターンは決まっている。職歴が長くて給与が高い職員の首が切られて、給与のずっと安い下請け会社の職員がそのポストに就く」と、デモの理由を説明した。
Cedaeでの職歴が43年を数え、職員組合監査委員会委員長のフラヴィオ・グエデス氏は、「浄水、水供給部門の民営化は、人の命の根幹に関わることを民間企業にゆだねるということだ。水は商品ではない。ペゾン知事たちは民営化ありきで、結論を急ぎすぎている。いくら政府との約束があるとはいえ、公聴会も委員会も開かずに採決なんて認められない。Cedaeをジャガイモかなにかのように扱ってはならない」と語り、市民に水を供給する部門は公社のままであるべきとの持論を展開した。同氏は「世界では浄水、水供給部門の公営化が当たり前なのに、民営化はその流れに逆行する」とも述べている。
民間企業で働いた経験もあり、Cedaeでも17年間勤めているヴァニア・リノ氏は、「民営化されれば、水道料金は値上がりするに決まっている。浄水、水供給を担当する会社は、大衆の必要に応えるためにあるのであって、収益を得ることを目的にすべきではない」とした上で、「州政府は今後の職員の処遇について、一言も話していない。職員には家族もおり、皆がこれからのことを不安に思っている」とも語った。(7日付アジェンシア・ブラジル、8日付エスタード紙などより)
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