エスピリトサント(ES)州軍警が給与調整や手当て支払い等を求め4日からストライキに入った影響で、地元のヴィトリア日系協会も夜間の日語授業を中止している。8日付けG1サイトによると、スト開始から8日午後までに殺人事件は90件を超える勢いとなっている。(2面で連日詳報)
同協会の中村ヒデキ会長(65、二世)は、「6日はあらゆる店や施設が閉まり、通りを歩く人が全く見られず、異様な光景だった」と市内への影響を語った。同協会で行われる夜間の日語授業はしばらく中止されるそうだ。
ヴィトリア大都市圏には6日夜から1000人の軍隊、7日朝から200人の国家治安部隊が派遣された。商店も日中のみ営業を始める等、治安状況も回復の兆しを見せる一方、市警も新たにスト協調を主張し始めるなど事態収束には至っていない。
中村会長は「バスの運行開始は未定だが、日語授業も土曜日から日中のみ、始めたいと思っている」との希望的観測を語った。「バスが動けば普段の様子が戻り、少しは安心できる。来週頃には良くなって欲しい」と治安回復を切実に願った。
今のところ日系人への被害は報告されていないが、「とにかく夜間に出歩かないこと」と注意喚起した。
在リオデジャネイロ日本国総領事館は一連の暴動被害に対し、「被害はヴィトリア市内及び郊外で発生しており、周辺の在住者は当面の間不要な外出は避けるように」と呼びかけている。
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ヴィトリア市に住む知人によると、軍警スト、また暴動被害は突然のことだったため、食糧などの備蓄もなく一日中家に籠もった人もいるそう。軍警への批判とともに「パンを持ってきて」という懇願の声が聞かれたそうだ。日本では自然災害に備えて備蓄品を集めるのが一般的。ブラジルでは地震災害こそないが、こういった「人災」はいつ、どこでも起こりうる。ならば「人災非常品備蓄」が必要かも。