サッカーのU20W杯の南米予選で8日、ブラジル代表は逃げ切ればU20W杯出場決定というところを踏ん張りきれず、一転して苦しい立場に追い込まれた。
ブラジル代表は8日の現地時間20時30分(ブラジリア時間同日23時30分)からエクアドルのアタウアルパ・スタジアムで、決勝リーグ4試合目となる対アルゼンチン戦を戦った。
前日までの段階で、ブラジルは1勝1敗1分、勝ち点4で6チーム中4位だった。同リーグで4位までに入れば、5月から韓国で行われるW杯出場が決まる。この日、5位のアルゼンチン(勝ち点3)に勝てば、勝ち点差が4点となり、最終節でブラジルが敗れてアルゼンチンが勝っても逆転がないため、W杯進出が決まるはずだった。
試合は前半10分にブラジルがリシャルリソンのシュートで先制したが、26分にマンシージャにシュートを決められ、前半を1対1で折りかえした。
そして後半21分。ブラジルはPKのチャンスを得て、これを今大会のエース、フェリペ・ヴィゼウが決めて2―1。これを守りきればW杯進出だった。
だが、後半の45分をすぎ、突入したロスタイムでもすでに4分が経ったその瞬間、アルゼンチンが最後のチャンスとばかりにペナルティ・エリア内にあげてきたクロスをブラジルのディフェンダー陣がはね返せず、マルチネスにヘディングシュートを決められて引き分けとなった。
これでブラジル代表の立場は苦しいものとなった。まだ現時点で進出圏内の4位ではあるが、11日の最終戦の相手はコロンビア。ブラジルは1次リーグで対戦し、敗れている。
一方、勝ち点1の差で追うアルゼンチンの最終戦の相手は、3位のベネズエラ。この試合でアルゼンチンが勝ち、ブラジルが引き分けか負けに終わると、アルゼンチンに逆転されてしまう。
幸い、得失点差でブラジルがプラスマイナス0点のところをアルゼンチンがマイナス5点のため、アルゼンチンが引き分けてブラジルが負けて勝ち点で並んでも、ブラジルがよほどの大量失点で敗れない限り、順位は逆転しない。
ただ、アルゼンチンが勝つことを想定した場合、ブラジルも勝たなくてはならないため、事は重大だ。ブラジルは現在首位のウルグアイ戦でもロスタイムで逃げ切れずに敗北を喫し、エクアドル戦では前半で2点リードしながら、後半にいずれもPKで得点を許して追いつかれるなど、勝負弱さが目立っている。
指揮するのはリオ五輪でブラジル初の金メダルをもたらしたロジェリオ・ミカーレ監督だが、温厚な人柄で知られる同監督も、いらだつ姿が報じられている。(9日付UOLサイトなどより)
タグ:W杯 サッカー ブラジル代表 リオ五輪 ベネズエラ アルゼンチン 写真ニュース ウルグアイ