4日より軍警がストライキに入り、無法地帯と化したブラジル南東部、リオのお隣のエスピリトサント州では、強盗、殺人が多発し、一般市民と思われるような姿の人々までも商店のシャッターを破壊し、品物を盗んでいる。
学校も病院も、公共交通機関も機能せず、危険を恐れた市民は自宅に〃囚われの身〃となって出られない。
そんな中、気骨ある女性商店主が現れた。彼女は、「売り上げなんて関係ない。店を閉めて、家に篭っているなんて、犯罪者たちの支配を認めたようなもの。意地でも店は開け続ける」と気丈に語った。
エスピリトサント州の州都ヴィトリア市の南、ヴィラ・ヴェーリャ市で子供用品、衣類店を営むアメル・アブールさんは、軍警スト開始以降も、一日も休まず店を開け続けている。
「朝の9時から午後の2時まで、たとえ一人ぼっちでも店は開けているわ。外を歩いている人は全然いなくて売り上げはサッパリだけど、そういう問題じゃないの」と語る。
エスピリトサント州では、4年間も給与調整が行われず、労働環境も酷いとして軍警が4日よりストを起こし、6日目に突入している(ブラジルでは通常、1年に1回、インフレ率に合わせて給与が増額される。物価も上がっているので、実質は増額ではなく調整)。
州の要請を受け、連邦政府が陸軍を差し向けたことで、少しずつ営業を再開し始める商店やスーパーも出てきた。
「子供が2人いるからどうしても食べ物を買わなければと思って、勇気を出して出てきたけど、パンも卵も少なかった」とスクールバスの運転手、チアゴ・フレイレさんは語る。
スーパーの経営者は食品、衛生用品が品薄になっている事を認めた。
「今ここで起こっている事はとても悲しいこと。州政府が無策だからこんなことになり、市民が人質みたいな状態に置かれている」と商店主のカルラ・シプリスチさんは語った。(9日付G1サイトより)
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