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《ブラジル》エスピリトサント州軍警スト6日目に=死者は100人超し、学校や病院も再開できず=軍とFN合わせて650人増員

ヴィトーリア都市圏内をパトロールする陸軍兵士(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

ヴィトーリア都市圏内をパトロールする陸軍兵士(Tânia Rêgo/Agência Brasil)

 【既報関連】エスピリトサント州で4日に発生した軍警のストは、9日に6日目を迎えたと9日付現地紙・サイトが報じた。
 公立校、医療機関は機能せず、大部分の商店は営業できないままなど、住民は不安な日々を過ごしている。一部のバスは9日早朝に運行を再開したが、運転手への脅迫や組合員殺害などにより、すぐに運行を停止した。
 同州市警組合によると、スト発生以降、州内で発生した暴力事件による死者の数は、9日午後1時半現在で106人に達した。9日朝のグローボ局のニュースによれば、6~8日に起きた略奪や営業不能による商店の経済的損失は2億2500万レアル(約80億円相当)に達したという。
 8日夜には州政府と軍警親族の代表者が、危機収束に向けた対話を行ったが、合意には至らなかった。
 ジュリオ・ポンペウ同州人権局長によると、軍警親族の代表者は、ストを行った軍警を罪に問わないこと、軍警全員の給与を倍増することを要求したという。

空軍兵士も8日夜にヴィトーリア入りした。(Fred Loureiro/SECOM-ES)

空軍兵士も8日夜にヴィトーリア入りした。(Fred Loureiro/SECOM-ES)

 州と軍警側の対話の前には、手術後の療養のために休職中のパウロ・アルトゥンギ知事も、「彼らは市民の命を危険にさらし、人質にとることで州政府を脅している」と怒りをあらわにした。
 ポンペウ局長は、「交渉を前に進めるために我々に何ができるか、要求を分析する」と語ったが、セザール・コルナゴ知事代行は、「今はいかなる給与調整の余地もない」とした。
 軍警と州当局の交渉はようやく端緒についたものの、州都ヴィトーリア都市圏を中心に、ES州内の治安は依然、改善の兆しが見られない。
 エスピリトサント州が軍の増援を要請したことを受け、ラウル・ジュングマン国防相は8日、これまで配備についていた陸軍兵士1000人と国家治安部隊(FN)と200人に加え、9日からは、陸軍、空軍合わせて550人の軍兵士と100人のFN隊員が州内陸部の各自治体で警備に当たると発表した。これにより、9日以降、市街地警備にあたる軍兵士とFNは、総計1850人になる。軍兵士とFNの派遣域も拡大された。
 ES州は8日、2月16日までに法による秩序が回復することを望み、治安維持活動の指揮権を陸軍のアジウソン・カチベ将軍に委ねた。