14年3月にブラジルで始まった大型汚職摘発のラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関連した捜査がラテンアメリカ諸国で進んでいると8、9日付G1サイトなどが報じている。
16年12月に大手建設会社、オデブレヒト社の現・元幹部77人がブラジルやアメリカで行った報奨付供述など、LJ関連の情報が、ペルー、コロンビア、アルゼンチン、ドミニカ、ベネズエラ、チリ、ベネズエラ、パナマ、メキシコ、グアテマラ、エクアドルの検察を動かしている。ブラジル連邦検察庁には、世界18カ国から捜査への協力要請が入っている。
ペルーでは4日、トレド元大統領が家宅捜索を受け、逮捕請求も出された。同氏の容疑は、ブラジルと同国を結ぶ高速道路建設関連で、05~14年にオデブレヒト社が行った2900万ドルの贈賄に関与したことだ。トレド氏は容疑を否定したが、同氏には以前から資金洗浄の容疑がかけられていた。
オデブレヒト社の報奨付供述の内容が公表された後、ペドロ・パブロ現大統領はオデブレヒト社に同国撤退を求めた。
コロンビアのサントス大統領には、14年の大統領選で100万ドルの賄賂を受け取った疑いがかけられている。この金はオデブレヒト社がオット・ブラ・ブラ元上議に払った460万ドルの一部で、元上議の証人が、金が手渡された日時や場所などを説明したという。同大統領の対抗馬だったオスカル・イヴァン・ズルアガ氏も、賄賂を受け取った疑いが持たれている。
チリでの贈収賄はOAS社によるもので、エンリケ・オミナミ氏とバチェレ氏に選挙資金が提供されたという。
アルゼンチンでは、クリスチーナ・キルチネル前大統領時代に最低3500万ドルの賄賂が支払われたとされ、マクリ大統領は7日にブラジルを訪問した際、アルゼンチンでラヴァ・ジャットに関与していた人物名を教えるよう、カルメン・ルシア最高裁長官に依頼したという。
ベネズエラでは、公職者や公務員に払われた賄賂980万ドルの行方を捜査中だ。ドミニカでもオデブレヒト社事務所の家宅捜査が行われており、数百万ドル単位の賄賂の授受に関して、公共工事を管轄する省の元大臣らから供述を取る予定だという。
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