ブラジル地理統計院は8日、1月の広範囲消費者物価指数(IPCA・インフレ率)が0・38%だったと発表したと、9日付現地紙が報じた。この数値は1979年12月の統計開始以来、1月としては最低の値だった。
市場の予想(平均0・42%)を下回る結果が出たことで、今後のインフレ予想や金利政策予想を見直す動きが出始めており、今月21、22日に行われる中銀の通貨政策委員会(Copom)では現行13%の経済基本金利(Selic)を、1%ポイント引き下げるのではないかという予想も出始めた。
“インフレの調整弁”であるSelicは、インフレが収まると引き下げられるのが原則だ。市場関係者の間では既に、今年末のSelicは二桁%を割り込むとの予想が出ていたが、更に思い切って、9%を割り込むとの予想も出てきた。
IBGEは直近12カ月間の累計IPCAも出しており、毎年12月に出される、その年の1月から12月までの累計IPCAが年間インフレ率として使われる。16年のインフレ率は9月以降急激に下がり、最終的には、政府目標の4・5%±2%ポイント以内の6・28%で終わった。
IBGE価格指数部門コーディーネーターのエウリーナ・ドス・サントス氏は、「インフレ率の低下は購買力の低下によるものだ。失業率、クレジットの利率は高く、消費者は既に債務を抱えている。結果、財布の紐がきつくなるのは自明のこと」と現状を分析した。
1月のインフレ率を消費部門別に見ると、家具(マイナス0・1%)と衣類(マイナス0・36%)の部門ではデフレが発生した。
逆に高い上昇率を記録したのは、交通費(0・77%)と通信費(0・63%)、保健医療費(0・55%)だった。