【既報関連】エスピリトサント州の軍警スト7日目の10日、同州政府は、軍警親族との協議は決裂したが、対話は続ける意向である事と、軍兵士増強を要請した事を明らかにしたと同日付現地紙・サイトが報じた。
州政府と軍警親族の協議は9日も繰り返され、話し合いは10日未明まで続いた。軍警側は、4年間無調整だった給与を即刻20%と段階的に23%(20年までに計65%)調整する事やスト参加者を罰しない事、労働条件改善などを要請した。州政府側は時間外手当や夜間勤務手当てなどを提案したものの、給与調整は困難との見方を崩さなかった。
軍警親族の一部は10日未明、「全く話にならない」と言って協議の場を出ており、朝6時を過ぎても軍警車両が巡邏などに出る様子はない。
これを受け、州政府側は軍警側に提案を受け入れる意思がないと判断。アンドレ・ガルシア州保安局長は10日午前、軍警703人を不服従などの罪で告発する事や、連邦政府に軍兵士増員を要請した事などを明らかにした。同局長によると、州内警備などにあたる軍兵士と国家治安部隊(FN)は、今週末に3千人に増えるという。
不服従で告発された警官は、8~20年の実刑や解任といった処罰を受ける事になる。州政府側は、軍兵士などの派遣費用もスト責任者が負担すべきとしている。
4日朝の軍警スト開始以降、10日午前11時までの同州での殺人事件の犠牲者は121人に上り、学校や保健所、銀行や一部商店なども閉鎖されたままだ。バスも運行停止が続いている。
庶民は一種の幽閉状態で、銀行から年金を引き出せず、買い物にも事欠く人もいる。略奪行為も頻発しており、スーパーなどは警備員を増やして開業しているが、庶民の不安は募るばかりだ。
手術後の体をおし、軍警親族との協議にも臨んだパウロ・アルトゥンギ知事は9日、「まだ療養中だが、軍警の再構築も含め、最善の形で現在の危機を乗り切るべく、働いている」と語った。