【既報関連】エスピリトサント州軍警は14日、4日から同州で発生している軍警ストに関する軍警内調査(IPM)を開始し、軍警155人の解雇手続きに入ることを州官報に発表したと14日付現地紙・サイトが報じた。
ストの最中に出た出動命令に従わなかったために反逆罪に問われている軍警は703人で、司法の場で有罪と認められれば、8年から20年の禁固刑に処される。IPMは軍警監察局が主導し、調査結果は軍事法廷に送られる。
他方、3日夜から大隊に泊り込み、ストの中核となったと見られる155人の軍警は30日以内に解雇される。155人の中には、2人の中佐、1人の少佐、1人の大尉補佐が含まれている。
13日、軍警の妻や母親たちは州政府と再交渉し、4年も行われていなかった給与のインフレ調整は諦めると伝えると共に、ストに参加した軍警たちを罪に問わないことやIPMを行わないこと、職場環境の改善を要請したが、エスピリトサント州政府はそれを受け付けなかった。
13日、同州州都ヴィトーリアやその周辺の市では、バス運行や学校、医療機関、商店などが再開し、おおむね平穏だった。州軍警全体の17%にあたる1743人の軍警も勤務に戻り、軍兵士、国家治安部隊と共同でパトロールを行った。
しかし、先週は無法地帯化していたために街に出られなかった多くの人々が、支払いや現金引き落としを行おうとしたため、銀行やロッテリカには長蛇の列ができて、混雑した。
また隣のリオデジャネイロ州でも、軍警の妻を中心とした親族が大隊の出入り口をふさぐ形の事実上の軍警ストが続いている。5日目の14日より、陸軍兵士9千人がリオ市とその周辺都市の警備増強のために動員された。
これは13日にフェルナンド・ペゾン知事が、テメル大統領にリオ市内警備への人員増強を要請したことで実現した。
同知事は「軍はカーニバル終了まで留まる」としているが、14日付官報には「軍は14日から22日まで駐留する」とだけ書かれている。今週末からは市内に多くのブロッコが繰り出し、街の喧騒は激しくなる。24日から27日まではサンバ会場での大規模パレードもあるが、軍の駐留が22日まででは、その期間を警備できない。
12日の夜までに、州内全100カ所の大隊の内、29カ所で出入り口の封鎖が起きたため、一部の軍警は車両が使えなかったり、大隊の外で装備を取り替えて勤務交代をしたりしている。
スト発生後も「95%の軍警は警備に出ている」と軍警広報は発表しているが、封鎖の起こった大隊の警備エリアに隣接大隊からの応援が駆けつけたり、一人一人の軍警に超過勤務が課されたりするなど、〃ひずみ〃は確実に人員をむしばんでいた。
テメル大統領は、「連邦政府は、軍を派遣することで、国内における、いかなる騒乱の可能性も排除する」と語っている。