【既報関連】連邦政府は14日より、9千人の軍兵士をリオデジャネイロ州の警備増強のために差し向けている。これはリオ州全体の軍警の20%にあたると、15日付現地紙・サイトが報じた。
ラウル・ジュングマン国防相は、リオ州への増援は、10日以来、リオの軍警の妻を中心とする親族が、軍警大隊前の出入り口を封鎖することで、一部の軍警が事実上のスト状態に入り、通常警備に支障をきたしていることと関係がある事を認めた。
しかし、フェルナンド・ペゾン同州知事は、増援は軍警の造反行為で生じた穴を埋めるためであることを否定し、増援の理由はカーニバル期間のリオの警備を助けるためとしている。
ジュングマン国防相は、「リオ州はエスピリトサント州と違い、騒乱状態になっていない。予防措置として、軍の増援が必要なだけ」と語り、軍の派遣は州軍警ストの穴埋めのためである事は認めながら、著しく治安が悪化したエスピリトサント州と、リオ州の現状は異なると強調した。
軍兵士は、軍警と合同で、州の財政再建計画に反対するデモが激化している、リオ州議会周辺の警備なども行う。
軍警たちに燻る待遇への不満を解消するため、リオ州財務局は保安関係職員への給与を最大10・22%まで調整することも決めた。
【エスピリトサント州で軍警が殺人関与の疑い】
また、4日から軍警がストを行っているエスピリトサント州では、州政府がスト開始から13日までの殺人件数が143に達したと14日に発表した。同州政府が殺人件数を発表するのはこれが初めてだ。
州都ヴィトーリア都市圏のセーラ市では32件の殺人が発生した。多くは処刑をうかがわせる状況で、州政府は、軍警が殺人に関与した疑いを抱いている。アンドレ・ガルシア保安局長は「警察や民兵が殺人に関わっていたら、重い処罰が下される」と語った。
軍警の妻や親族による軍警大隊前の封鎖は15日で12日目を迎えた。州政府との交渉も不発に終わり、軍の増援でストの効き目そのものが薄れる中、14日に、軍警の妻たちに更なる厳しい司法の判断が下された。
同州第3財務法廷のマリオ・ダ・シウヴァ・ヌネス・ネット判事は、軍警の妻や母達10人に、「大隊前の封鎖を直ちに解くべし。従わない場合、1日ごとに各人に1万レアルの罰金を課す」との予備判決を下した。
15日付ヴァロール紙電子版は、15日付連邦政府官報にリオ州とES州への国家治安部隊派遣が承認されたことが掲載されたと報じた。リオ州には3月2日まで、エスピリトサント州には同5日までの派遣を承認したとの文書は、13日にジョゼ・レヴィ・デ・メロ法相代理が署名したものだった。