14日、ブラジル連邦最高裁のセウソ・デ・メロ判事は、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で疑惑の政治家のひとりと目されているモレイラ・フランコ氏の大統領事務局長官就任と不逮捕特権を認めた。14日付現地紙が報じている。
セウソ判事の判断は、社会主義自由党(PSOL)と持続ネットワーク(REDE)の訴えに対する返答として行ったものだ。同判事がモレイラ氏の就任取消を求めた訴状を却下したことで、モレイラ氏は大統領府事務局長官職に引き続きとどまることが決まった。
セウソ判事は10日、テメル大統領に対し、24時間以内にモレイラ氏の就任の理由を説明するよう通達しており、同大統領は13日に「事件の被告になるまでは解任させるに値しない」との見解を示していた。
モレイラ氏の同長官職への指名は2月2日、就任は同3日に行われた。同氏の名前は、カルメン・ルシア最高裁長官が直前の1月30日に了承した、オデブレヒト社関係者77人がラヴァ・ジャット作戦に関して行った報奨付供述(デラソン・プレミアーダ)で、クラウジオ・メロ・フィーリョ被告から43度も言及され、収賄疑惑が持たれていた。
そのために、主に野党から「モレイラ氏の大臣職就任は、要職政治家の特権(フォロ・プレヴィレジアード、以下FP)をもらって、LJの捜査から逃れるためではないか」との疑いが持たれた。また、3地裁から相次いで差し止め暫定令が出され、連邦政府が食い止める事態が続いた。
だが、セウソ判事は「今回の就任は、LJの捜査妨害を狙ってFPをもらおうとしたものではない」と判断した。
これによりモレイラ氏は留任となるが、14日の同判事の見解だと、FPに関しては「事の成り行きとしてもらうことになるのが自然だろう」と、やや曖昧な判断となった。
今回のセウソ判事の判断は暫定的なもので、正式な進退は最高裁全体の審理で決まるようだ。同件に関しては、ジウマール・メンデス判事も「セウソ判事の件は間違いなく全体で審理されることになるはずだ」との見解を見せている。FPに関しても、その審議で決まることになりそうだ。
この判決を受け、PSOL下院リーダーのグラウベル・ブラガ下議は、改めて最高裁に控訴することをほのめかした。