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移民110周年に向け発進!=皇室ご訪問に高まる期待=(2)=新市長「精一杯、大歓迎する」

プロミッソン市庁舎で市長と会談した日系団体幹部

プロミッソン市庁舎で市長と会談した日系団体幹部

 プロミッソン日系社会は移民110周年の準備に向け、一致団結して歩みだした。移民百周年では皇太子殿下、日伯外交120周年では秋篠宮同妃両殿下をお迎えしたいとの念願が果たされなかっただけに、今回の皇室ご訪問への募る思いも強い。
 さらに来年に「上塚第一植民地」は入植100周年の節目を迎える。サンパウロ市から西北方向に約400キロに位置し、いまでは「プロミッソン」の方が通りがいい。移民史初期に建設された植民地の一つで、主導したのは今も人気が高い「移民の父」上塚周平だ。
 地元日系団体では、日本移民が全伯に巣立っていった「移民の故郷」ノロエステ線の初期移住地としての記憶や、「移民の父」の功績を永代に渡って継承してゆきたいと意気込んでいる。
 とはいえ、最盛期には1300世帯を数えた同地も、現在はおよそ100世帯。初期移民の子弟とだけあってノロエステ連合、地元2団体の代表者もみな、二世どころか三世主体の時代。「我々三世がしっかりしなくては」と声を合わせ、心を一つにしようとする意気込みが溢れている。
 くわえて、今年1月に就任したばかりのアルトゥール・マノエル・ノゲイラ・フランコ市長は、「上塚植民地という基盤の上に、我々の市は発展してきた。日系人は努力家で信頼できる」と称賛する。
 さらに「当地への皇室御訪問は大変光栄なこと。市としても大歓迎したい」として、「任期4年のなかで一番重要な行事になる。知恵を振り絞って協力し合い、できる限り精一杯働かせてもらいたい」との意気込みを語った。
 同市長は、実行委員会の祭典委員長を引き受けることも快諾しており、官民一体となって、皇室をお迎えする体制が整いそうだ。
 同市で行われる最大行事という「フェスタ・ド・ペオン」では、毎年約1万3千人が訪れるといい、それほどの規模の行事を運営していると実績もアピールする。
 岡地会長は、「それと同じくらいの人を集める気概でやりたい」と語気を強める。市人口はおよそ3万5千人、その半分に当たる人数を集めるのは簡単ではない。
 安永会長は「これで主役は固まった。ノロエステ連合としても、総力を挙げて支援していきたい」としてノロエステ沿線の団体が一体となって協力する構えだ。
 岡地会長は「上塚周平公園の運動場で皇室の方をお迎えし、立派な式典にしたい。ここでしっかりさせなければ、優れた功績も、時代とともに自然消滅してしまう」と使命感を語る。
 「三世、四世へと次に繋がるものにできるか。これは我々日系人を試す機会かもしれない」と遠くを見つめた。(つづく、大澤航平記者)