樹海
サルの声なき声に耳を傾け、救われた町
近年にない規模の流行状態に至った黄熱病。患者や死者が群を抜くミナス州で、周囲の町では患者が続発しているのに、感染が疑われる患者すら出ていない町がある▼人口5700人の農業の町フランシスコポリス。感染が疑われる患者の有無を示す地図で見ると、105人のラダイーニャや50人のポテ、35人のイタンバクリ、31人のテオフィロ・オトニなどに囲まれ、唯一、白抜きになっているのが同市だ▼同市で感染者が出ていないのは、黄熱病が騒がれ始める数カ月前に危険を察知し、予防接種を勧めた看護婦のケニア・モレイラ氏のおかげだ。ケニア氏は昨年9月、ケブラ・ココ区住民が「林のサルがいなくなった」と言うのを聞いた。夫や隣人からも「サルの死体を見た」と聞いたケニア氏は、異変が起きているのを感じた▼別の地区でもサルの死体を見た人がいると知ったケニア氏は、毒や空腹、喉の渇きが原因と言うには数が多過ぎると感じ、テオフィロ・オトニの地方保健衛生監督局にも赴いた。サルの死体は死後48時間以上経っており、感染確認はできなかったが、同市ではこの時点でサルの死体が見つかった地区での予防接種を開始▼1月に他地区でサルの死体が発見されると、それらの地区にも予防接種を拡大。他の町で人への感染が疑われ始めた時、同市の住民は予防接種を受け終わっていたという。周囲の町の人々は自分達にも知らせてくれていればと文句を言うが、同市は地方監督局に警告していた。監督局は同市だけの問題と判断したようだ。流行を免れた町と流行に苦しむ町の境目が小さな情報を活かしたか否かだった事は、今後への大きな教訓となりそうだ。(み)