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折り鶴でシャペコエンセ応援=ブラジルやカナダから約4万羽=大泉さんらブラジル人NPOに協力

折り鶴とボランティアの方々

折り鶴とボランティアの方々

 なぜ折り鶴がシャペコエンセのサッカー場に?――昨年11月末に起きたシャペコエンセ選手19人を含む71人が死亡した飛行機事故後、初となる同チームの親善試合が先月21日に行われ、サンタカタリーナ州シャペコ市にあるアレーナ・コンダ会場の金網には、ところ狭しと4万羽を越える折り鶴が姿を現した。その光景を見て不思議に思った人も多かった。折り鶴が会場に飾られた経緯を、関係者に取材した。

 この折り鶴は『一つの願いを千羽鶴に』プロジェクト代表の大泉良子リジアさん(二世、32)=マット・グロッソ・ド・スル州カンポ・グランデ在住=が、シャペコ市の非営利団体(NPO)『私が平和』の「愛を伝えよう」キャンペーンに協力して集めたもの。カンポ・グランデ日伯文化体育協会、同沖縄県人会、ナビライ日伯協会が支援した。

ボランティア関係者らで記念撮影(前列端が大泉さん)

ボランティア関係者らで記念撮影(前列端が大泉さん)

 非営利団体『私が平和』は、内面と社会の両方から平和を追求する活動をしている。本紙の取材に同会のマリソウ・ミシェリ・ジアスさんは、「日系人と特に関係はないが、瞑想の際、千羽鶴を折ったのがきっかけで折り鶴に興味を持った」と説明する。同団体が作った折り鶴には、メッセージを書いたハート型の折り紙も混じっており、独特な雰囲気をかもし出していた。
 事故直後の共同葬儀セレモニーでも、関係者の痛みを思いやり、同会場の金網に3千羽の折り鶴を飾っていた。今回は、チームとシャペコ市の再興を願い折ったという。
 一方、大泉さんの『一つの願いを千羽鶴に』プロジェクトの主な活動内容は、入院患者へ折り鶴を贈ることだ。飛行機事故後、強く胸を痛めていた大泉さんは、親善試合の13日前に『愛を伝えよう』キャンペーンで折り鶴の募集をしている事を知り、「これだ!」と思って、すぐに協力を決意し、作成に取り掛かったという。

折り鶴を受け取る飛行機事故生存者のネット選手と大泉さん

折り鶴を受け取る飛行機事故生存者のネット選手と大泉さん

 地元シャペコから約2万5千羽、大泉さん率いる『一つの願いを千羽鶴に』プロジェクトから2万1301羽、その他、カナダなど国外からの協力もあり、5万近い折り鶴を集めることに成功した。『愛を伝えよう』キャンペーンを通じて生存者、応援団、遺族に届けられた。
 大泉さんは「事故関係者の笑顔が見られて、とても良かった」と嬉しそうに語り、シャペコ市の小児病院、地域病院へも2千羽の折り鶴も届けたことを明かした。
 今後の活動としては、病院への寄贈と同時進行で、今月中に広島の平和記念公園にある原爆の子の像へ千羽鶴を贈る予定だ。