「第6回ミナス日本祭」が17日から19日の三日間、ミナス州ベロオリゾンテ市のエキスポミナス(Av. Amazonas, 6200)で開催され、日伯作家アカデミー(宮村秀光会長)とブラジル日系文学(武本憲二理事長)が共同でブースを出展し、計14タイトルの販売、サイン会を行う。
なかでも近藤アンドレさん(41、二世)は、代表作「小さなサムライ」で2015年にブラジルで最も重要な文学賞「ジャブチ賞」児童文学部門の最終選考まで残った、日伯作家アカデミー期待の新人だ。
「文学一本で食べていきたい」と強気の抱負をのべる。親は1960年渡伯の戦後移民だ。彼が今までに書いた作品は日本、ブラジル、ポルトガルで200を越える文学賞を受賞した。その豊かな発想と表現力は60以上の国を旅した経験によるものだという。
日本の文化や価値観をテーマにした短編小説集『日出ずる国の物語』(ポ語)は子供の教育に良いと大変評判。祭りでは『小さなサムライ』、『日出ずる国の物語』の他、全部で9作品を出展する。
宮村会長は「文学も大切な文化の一つ。見て、食べて、読んで日本を感じて欲しい」と来場を呼びかけた。
入場料16レ。文化講座やミスコン、コスプレ大会、ゲーム、バザー、日本食販売など盛りだくさんのプログラムだ。詳細は公式サイト(http://www.festivaldojapaominas.com.br/site/)まで。
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日伯作家アカデミー期待の新人、近藤アンドレさんは、自作の人気作品「日出ずる国の物語」の続編である「日沈む国の物語」を現在、日本語へ翻訳中であることを明かした。普通は「日沈む国」といえば中国を示す。ところが日系作家らしく、移民が渡った先にある別の大陸ブラジルを「日沈む国」と表現した。タイトルの通り、テーマはブラジルにいる日本人、日系人だとか。「自分で経験し、感じた事を作品にする」がモットーの近藤さん。大学院進学への資金集めのためにデカセギとして訪日し、一日15時間働いた経験を元に書いたとか。日系社会とデカセギがテーマの次作、ぜひとも多くの日本人、日系人に読んでもらいたいものだ。