《ブラジル》ファキン判事が不逮捕特権に異議=「憲法の意図通りなのか」=LJ疑惑政治家の抜け道に=最高裁での審理の可能性も

連邦最高裁でラヴァ・ジャット作戦(LJ)を管轄するエジソン・ファキン判事が、かねてから問題視されていた不逮捕特権(フォロ・プリヴィレジアード)に関して「再考する必要がある」との見解を示していることが明らかとなった。18日付エスタード紙が報じている。
フォロ・プリヴィレジアード(FP)は、連邦政府の閣僚や連邦議員、知事や市長といった、政治の要職に就いている人物に対する不当な逮捕を避けるため、1988年に制定された憲法で規定された。
確かに、大物政治家も容易に逮捕されうる、独裁色の強い軍事政権などに歯止めをかけるには、FPは効力がある。
だが、昨年3月、ルーラ元大統領がサンパウロ州地裁の訴えを基に逮捕されそうになった時、ジウマ前大統領が同氏の官房長官就任を発表(実際には最高裁差し止め後、ジウマ政権崩壊で無効)し、大問題になった。
また現政権でも、LJで収賄疑惑のあるモレイラ・フランコ氏が、FPが適用されなかった役職から、一度は廃止されたが閣僚級の役職として復活した大統領府事務局長官に昇格したため、世論のみならず、3地裁判事からも「FP目当て」と判断され、セウソ・デ・メロ最高裁判事の決定が出るまで、同職の就任差止命令を出された。
また、このFPの問題は、LJの政治家に対する捜査や裁判が遅れる理由にもなっている。
だが、この2月にLJの報告官に選ばれたばかりのファキン判事は17日、「私は随分前からFPの現在のあり方が、憲法に書かれた本来の意味通りのものなのか、検証する必要があると考えていた」と発言した。
ファキン判事と近い見解を示してきた最高裁判事は他にもいる。ルイス・ロベルト・バローゾ判事もその一人で、「絶対に最高裁内でもう一度審理する必要がある」とし、「FPの対象は問われている罪が要職在任時に起こった人のみであるべき」とし、役職に就いたから自動的に与えられるものではないとの見解を表明している。
また、モレイラ氏の留任を認めたセウソ判事自身も、2012年に取材を受け、「FPは撤廃すべきだ」との意見を述べている。ジウマール・メンデス判事も「連邦議員の3分の1が最高裁での捜査・審理対象になっている」と指摘した上で、「議論するべき時が来ているのではないか」と語っている。
バローゾ判事の見方では、FP問題の解決は、カルメン・ルシア最高裁長官が今後、最高裁全体での審理を行うか否かにかかっているという。
現在の連邦議会は捜査対象の議員が多く、FPに関する憲法改正案が議員側から出ることは考えにくい。だが、LJ報告官自らがこのような動きに出たことで、今後のFPのあり方が変わる可能性もでてきている。