ブラジル資源最大手のヴァーレ社は20日、持ち株会社ValeParを吸収合併することを発表したと21日付現地各紙が報じた。
ValeParには現在、ブラデスコ銀行や政府系各公社の年金基金などが出資している。今回の合意によって、ヴァーレ社はコーポレートガバナンスを強化できる。今回の決定は、ヴァーレ社の持ち株会社に出資している年金基金にとっても、株式売却で年金を支払う事が出来るので有益だ。
この合意により、株主総会での議決権のない優先株は、議決権のある普通株に変わり、その存在を終える。
ブラデスコ社や公社の年金基金などが出資してきたValeParはヴァーレ社に吸収されるため、同社の経営判断に影響を及ぼす第3者は存在しなくなる。ValeParの出資者には、国営銀行であるBNDESの出資会社BNDESParも含まれており、政府も間接的にヴァーレ社の経営に影響力を行使してきたが、それも解消されることになる。
20日の発表後、ヴァーレ社の通常株は6・93%、優先株は6・17%値上がりした。
今回の合意では、現在の出資者が統合後のヴァーレ社株式に占める資本参加比率の上限が25%に定められた。それ以上の株式を保有したいなら、残りの出資者の株式を全て購入しなくてはならない。
ヴァーレ社は6月に株主総会を開き、合意内容を投票にかける。54%の賛成を得れば、今回の合意内容が承認される。
ヴァーレ社は、定款変更なども含むValePal吸収のためのオペレーションを、今年中に終わらせる意向だ。合意上の移行期間は2020年までで、それまでは一部の株式売買は凍結される。