【ワシントン共同】第2次大戦中の日系人強制収容につながった米大統領令署名から75年の19日、「敵性外国人」として隔離された日系人の歴史を話し合うイベントが米首都ワシントンのスミソニアン米国歴史博物館で開かれた。イスラム圏7カ国からの入国を禁じるトランプ政権の大統領令が注目される中、参加者は口々に悲劇を繰り返してはいけないと訴えた。
高校生ら4人と、強制収容を体験した日系2世の4人が参加。西部ワイオミング州で収容所生活を経験したタカシ・ホシザキさん(91)は、トランプ政権下でイスラム教徒への偏見が増し、差別が「また始まっている」と懸念を表明した。
東部メリーランド州の高校2年リード・レベンティスさん(17)は「米国を良くするために収容の歴史を語り継いでいく必要がある」と指摘。他の参加者も一様に「日系人に起きたことが、他の人種グループに起きてはならない」と強調した。
同博物館は17日、日系人強制収容に関する特別展を開始。1942年2月19日にルーズベルト大統領が署名した「大統領令9066号」の原本3ページのうち1ページ目や、当時の写真などを公開している。展示は来年2月まで。