日本政府の外交手段である政府開発援助(ODA)を、決算審査の充実等の観点から現地の実態を調査する「参議院政府開発援助調査派遣団」として、松下新平議員、中西祐介議員、磯﨑哲史議員の3氏が21日に来伯した。
同日、イビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑や日本館、ブラジル日本移民史料館を視察した一行は、地域警察活動普及やサントス沿岸衛生改善事業などODAの現場を4日間に渡って視察した後に、チリを訪問する。
この調査は04年に開始され、ブラジル訪問は今回が3回目。松下団長は、「南米地域におけるODAでは、予算の約半分をブラジルが占めている」と重要性を示し、「3カ国協力の新しい動きも。これまで視察できなかった事業を重点的に確認できれば」と意気込みを語る。
移民史料館を視察し、「先人の苦労の上に、現在の繁栄がある。日本人として大変誇りに思う」と感慨ひとしおといった様子。移民110周年を控え、日系社会ボランティアが拡張されるなか、「日系社会の新たな問題や課題にも応えていければ」と気持ちを語った。