サンパウロ市のジョアン・ドリア市長が23日、この日の夜8時に、自身のフェイスブックを通して、実況生対談を行うと発表した。
今年1月に就任したばかりのドリア市長は、元来はサンパウロを代表する富豪として知られている。また、同時にテレビ司会者としても有名で、過去に報道番組に携わったことや、アメリカで不動産企業家のドナルド・トランプ氏を一躍有名にした番組「アプレンティス」のブラジル版で、1シーズンだけトランプ氏がやったのと同じ、従業員希望者を毎週1人ずつ落としていく社長役をつとめたこともある。
市長就任後も、自らも清掃夫のユニフォームを着用しての市内美化運動や、アラブ首長国連邦に出かけて、有名市営スタジアムのパカエンブー・スタジアムや、ブラジルGPでおなじみのインテルラゴス・サーキットの民営化やネーミング・ライトの可能性を探り、同国の富豪から投資を引き出すなど、メディア・アピールのうまさで高支持率を得ている。
そのドリア市長が、次の試みとして、週1回、もしくは2週に1回の頻度で有名人を招き、自身のフェイスブック上で生対談を放送することにしたという。
その記念すべき第1回の対談相手は、ロック歌手のロボンだ。ロボンは80年代にそれなりに人気のあった歌手で、近年は自身の手記による自伝や政府に関する不満をぶちまけた本を執筆し、ベストセラー作家となっている。
とりわけロボンは、16年8月に罷免されたジウマ前大統領が所属している労働者党(PT)政権に対する痛烈な反対者として知られ、国民による罷免デモにも率先して参加するなど、PT支持者が圧倒的だった芸能界では異彩を放っている。彼自身もその昔は熱心なPT支援者だったが、PTの政治に幻滅して転向している。
ドリア氏はPTとは犬猿の仲で有名なライバル党、民主社会党(PSDB)所属市長だけに、2014年の大統領選で同党のアエシオ・ネーヴェス氏への投票を呼びかけたロボンとの話もはずみそうだ。
この有名人ゲストは毎回違う人になるといい、今後も楽しみな企画となりそうだ。(23日付Veja誌サイト、フォーリャ紙サイトなどより)