ホーム | ビジネスニュース | 《ブラジル》経済基本金利が先月に続き0・75%ポイント下落=インフレ収束の後押し受け

《ブラジル》経済基本金利が先月に続き0・75%ポイント下落=インフレ収束の後押し受け

 21、22日に開催されたブラジル中銀の通貨政策委員会(Copom)が、経済基本金利(Selic)を、0・75%ポイント引き下げて年12・25%に変更したと23日付現地各紙が報じた。
 昨年10月以来、4回連続となった引き下げによって、Selicはおよそ2年前の15年1月の水準に戻った。
 一方、22日にブラジル地理統計院(IBGE)が発表した1月16日から2月15日までの拡大消費者物価指数(IPCA―15)は0・54%で、先月の0・31%より上昇したものの、月別で見た場合、2012年以来の低い数値だった。
 中銀は今回も、インフレが収まっていることと、徐々に出始めてきている景気回復の動きを強めることを、Selic引き下げの理由にあげた。
 この発表の直後、バンコ・ド・ブラジル、イタウ、ウニバンコ、ブラデスコの銀行各社は金利の引き下げを発表した。
 MCMコンスルトーレス主席エコノミストのマウロ・スネイデル氏は、「これ以上の金利引き下げのためには、まだ一部指標の好転に留まっている景気が、全体的な好転に変わることが必要」と語った。
 多くの金融関係者は、0・75%ポイント引き下げと予想していたが、政府や民間金融機関の中では、1%ポイント以上の引き下げが必要との声が出始めている。
 それは景気回復の動きになかなか加速がかからないことと、インフレの収束ペースが予想以上であることが理由だ。
 21日、テメル大統領は、1月のインフレ率が同月としては史上最小の0・38%で、直近12カ月間の累計インフレ率も5・35%だったことを強調し、今年末のインフレ率が目標値の4・5%を下回る可能性も示唆した。
 Copomは委員会終了後に、景気回復への動きは依然断続的だが、今後も緩やかに回復していくとの見ていることと、サービス部門を中心とするインフレ収束の動きは今後も金利引き下げを後押しするとの見方を文書で発表した。