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リオのカーニバル=前代未聞の約40人負傷=2夜連続で本番中の事故=フェンス衝突や山車の崩落

担架で運ばれるけが人が出て騒然とするチジュッカ(Fernando Frazão/Agência Brasil)

担架で運ばれるけが人が出て騒然とするチジュッカ(Fernando Frazão/Agência Brasil)

 2月26、27日に2夜連続で行われた、リオデジャネイロ市サプカイのサンボードロモでのスペシャル・グループのエスコーラによるパレードで、2夜連続で山車が故障し、合計40人近い負傷者が出る不名誉な事態が生じた。2月28日、3月1日付現地紙が報じている。

 最初の事故は、初日の一番手として登場したエスコーラ、パライゾ・ド・ツイウチのパレード中に起こった。
 同エスコーラは、最後の山車がサンボードロモ内に入った直後にバランスを失い、入り口右側の座席前に置かれた柵にぶつかった。この衝撃で、座席前にいた取材者やエスコーラのメンバーが、約5メートルの高さの山車と柵の間にはさまれて負傷した。
 また、体勢をたて直すために山車を後ろに下げた際も、コース左側の座席前の人達がまきこまれた。この事故では顔から血を流す人や骨折する人など、20人ほどが負傷。パレード中に救急車が入る事態となった。
 パライゾ・ド・ツイウチは昨年2部で優勝し、スペシャル・グループに昇格したばかりだった。
 これ以降のパレードは問題なく進み、初日のスケジュールを予定通り消化したが、2日目にはこの日を上回る衝撃が待っていた。
 28日未明、2日目の4番手として名門ウニドス・ダ・チジュッカが登場した際、大きなジャズのサックス奏者を描いた2番目の山車中央部の頂点部分が、サンボードロモに入場しようとした時に突如崩れ落ちた。
 この山車の上には16組の男女のペアが踊っていたが、頂点部分と共に崩れ落ち、周囲を取り巻くようにして踊っていたダンサーたちも、踊りをやめて騒然となった。
 この事故の影響で、救急車による救助が入ったため、この山車は40分止まらなくてはならなくなり、それ以降の山車も入場できなかった。
 負傷者の救助後、山車を動かしても良いとの許可が出たが、山車が思うように動かないため、同エスコーラはパレードの順番を崩し、消防隊員も乗せたままの山車を先に進めた。山車はコースの真ん中を通り抜けたが、行進時間は規定を1分上回るなど、チジュッカのメンバーは心理的に動揺し、大半が涙を流しながらパレードを終えた。
 カーニバルのパレードの報道は通常、見事なパフォーマンスを披露したエスコーラの情報を流すが、今回はこの二つのエスコーラを含む、山車の事故4件の話で持ちきりとなってしまった。
 主要現地紙の高評価を得たエスコーラは、初日がベイジャ・フローラとサルゲイロとインペラトリス。2日目は優勝候補のマンゲイラとポルテラ、「魔法の絨毯」の演出が話題のモシダーデ・インデペンデンテが評判となった。過去10年で3度優勝のチジュッカは優勝候補の一角だった。
 1日に結果発表が行われたが、発表前に行われたエスコーラ代表の会議で、今年は降格なしと決まった。来年は13チームのパレードが行われ、2チームが降格となる。